2008年03月29日(土)  江草さん×WADADASの広告労協飲み会

3年前まで勤めていた広告会社マッキャンエリクソンの組合活動でお世話になった江草晋二さんが名古屋の大学に准教授の職を得て東京を去ることになり、広告労協仲間の壮行会が開かれた。正式名称「全国広告関連労働組合協議会」、通称「広告労協」とは広告会社各社の組合の総本山のようなもので、その総会や分科会的な「女性会議」なるものにわたしも何度か参加した。あるときは岐阜、あるときは京都、あるときは横浜。何を話し合ったかはほとんど記憶にないけれど、夜の交流会がとにかく楽しかったのを覚えている。間口が狭くて敷居が高そうな印象があるので敬遠されがちな分、入ってみると妙に居心地が良いところは、わたしが学生時代に身を置いた応援団に似ている。懐かしい人たちに会えるかなという期待も抱いて参加してみると、おひさしぶりな先輩方の顔がそこかしこに。見覚えはあるけれど顔と名前が一致しない方が半数近くおられ、思い出話をしながら何社のどなたであるか記憶をたどり、宴もたけなわで名刺を交換し、ようやく名前を呼びかける。

広告労協仲間のつきあいは濃くて深く、しょっちゅう飲んだり旅行に行ったり(北海道に移り住んだ仲間や、バリでホテル経営をしている仲間を訪ねている)しているらしい。労協の議長を何年か務めていた江草さんはその中心的な存在であり人気者。「余計なしがらみがないから楽なんだよな」と江草さん。赴任地の名古屋へも早速ツアーが組まれることになりそう。

プレゼンに明け暮れる広告会社の中でも、会社との交渉の百戦錬磨で話術を鍛えた組合執行委員はとりわけ話し上手。同時多発的に飛び交ういくつもの話題を聴いているだけで刺激的だった。最後に、江草さんの前だったか後だったかに労協議長を務めた和田哲郎さんの語録を集めた小冊子「WADADAS'01 帰ってきたワダダス」が配られる。プレゼンの場で、組合活動で、和田さんが大真面目に語るボケの数々を同僚であり組合仲間であった上條さんがまとめたもの。「みそにこみきしめん(味噌煮込みきしめん)を「にそみこみしきめん」と言い間違えたり、縦書きの「一口ぎょうざ」を「豆ぎょうざ」と読んだり、そそっかしい和田さん。「湾岸戦争に反対する声明文」に「1991年」を一桁多く「19991年」と記したり、団交の席で春闘の「回答日3月14日」を「ベア3.14%」と読み上げるなど、数字に弱いのも特長。前々から「すごい」「面白い」と評判を聞いていたのだけれど、ページを開いた途端、止まらなくなって、江草さんの挨拶が頭の上を素通りしてしまった。和田さんの稀有なキャラクターと、それを冷静に観察し、書き留める上條さんの編集力の合わせ業に脱帽。同席されていたお二人に、その場で「面白すぎます!」と興奮を伝えると、「和田哲郎は人類が共有すべき財産です」と上條さん。これはマンガや短編ドラマにして布教すべし。糸井重里さんの事務所でワダダスを知ったさくらももこさんも絶賛とか。サイト『WADADAS'01 帰ってきたワダダス』でも読めます。

2007年03月29日(木)  ターバン野口
2003年03月29日(土)  中国千二百公里的旅 厠所編
2002年03月29日(金)  パコダテ人トーク

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