東京マラソン10キロの部に補欠で当選したももの仕事に追われているうちに年が明け、一月が終わり、気がつくと大会二週間前。「さすがにぶっつけ本番はまずいと思うんで、週末に練習します」と整骨院で話したら、「一週間前に練習をやめるというのは聞きますが、はじめるというのは初耳です」と院長に突っ込まれた。
皇居のお堀のまわりを一周すると約5キロなのだという。信号待ちもなく、坂の勾配もなだらかなので、ランナーたちにとってはかっこうの練習場らしい。どこから集まってくるのか、マラソン大会当日のようなにぎわいで、駅伝大会も行われていると見えて襷をかけた走者に声援が飛んでいる。皆さん、いでたちも玄人っぽく、ぴたぴたタイツを標準装備。若い女性はおしりかくしのミニスカートを重ねていたりする。先日、ヴィクトリアへ行き、ジョギングウェアの充実に驚いていたら、「汗冷え防止」シャツなるものを見つけて、「そうか、汗冷えというものが起こるのか」と気づいて思わず購入したが、レオタードのような体にぴたっと張りつく布地であたたかく、たしかに汗をどんどん放散してくれている気がする。というより、汗をかくほど走っていないのだった。
なにせまとまった運動といえば出産以来。「立ち止まらない」を目標に体力温存モードで走っていたら、歩いているのと変わらない超スローペースになった。結果、気持ちいいほど次々と追い抜かされることになった。驚くのは中高年ランナーの元気の良さ。髪の白いおじさま、おばさまが力強く地面を蹴って駆け去っていく。髪がすっかりないおじさまの飛ぶような走りっぷりを見送りながら、髪の分だけ足取りが軽やかになるのかしらんと思ってしまう。100人は下らないランナーに抜き去られ、37分かかった一周目、わたしが追い抜いたのは、小学一年生ぐらいの女の子と付き添いのお父さんだけだった。娘のたまが大きくなったら、こんな風に親子で話しながらジョギングする休日もいいなあ。
一周目を終えた時点で足がかなりガタガタになっていたものの、二周目に突入。10キロってどれぐらいの距離なのか、自分に走れるのか、知っておかなくてはならない。足に乳酸がたまっているのを感じるが、一周目でコースを覚えているので、この辺で半分ぐらい、あの坂を超えればゴールなどとイメージできて気持ちは楽。一周目よりは少しペースを上げて32分で回りきった。最遅ペースでも風を切る感覚はちゃんと味わえ、ノロノロながらも流れる風景は歩いて通り過ぎる風景とは違って見え、新鮮。走った後のポカリスエットも目を見張るほどおいしく、体と歓声を上げるよう。全身を襲う筋肉痛が数日で消え、来週のマラソンを終えても故障しなかったら、これを機会に「走る」を趣味のひとつに加えてみたくなった。
2007年02月11日(日) 切り抜く代わりに書き抜き新聞記事
2004年02月11日(水) 口福の餃子
2002年02月11日(月) こどもの詩