目が覚めると、窓の外は冷たそうなみぞれまじりの雪。うっすらと積もった道路は雪にアスファルトが透けて灰色になっている。娘のたまは外を指差し、「雪しゅらしゅら(しっくり来る擬態語を探して、この言葉に落ち着いた)」と話しかけながら両手をひらひらさせながら上から下へ動かすと、すぐさま真似をした。「星きらきら」の応用で、あっさり習得。
たまは外へ出たかるけれど、鼻水がひどいし、これで雪の中に出したら一気に風邪を引いてしまいそうなので、窓越しの雪見で我慢。雪が小止みになった夕方、わたし一人で恵方巻を買いに出かける。近所にある大阪鮨の店でハーフを二本。大阪の実家では果敢にも一本を丸かぶりしていたが、ハーフのほうがたしかに手に負える。大阪出身の大将が「切ったりしちゃあ福が逃げる」と得意げに話していたが、一本を半分に切るのは許容範囲か。
コンビニのがんばりで、関東でもすっかり定着した恵方巻。4年前の節分に切った巻き寿司を持って帰った東京人のダンナも、今年は自分から「恵方巻」と言い出した。だが、今年の恵方、南南東を向いて願掛け態勢に入ったわたしの背後で、「これ、どっちから食べるのかな。太いほうからかな」と遠慮なく話しかけてくるところが素人。無言で食べきらないと、ご利益がないのに。「恵方巻に太いほうも細いほうもないよ! ハーフに切るときに包丁の圧力で片方がつぶされただけだよ!」と心の中で叫びながらかぶついていると、「どっちから食べた? ねえ?」。まったく、気が散ってしょうがない。わたしの膝に抱かれたたまは、空気を読んで、神妙な顔つきで恵方巻きに手を添えていた。来年は一緒に丸かぶりできるかな。
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