元旦の朝、起きてきたダンナが言った。「何かあたたかい飲み物はないのか」。これから用意すると言ったわたしに、「常にこう、湯気の立つ家であってほしいんだな」。こうして「湯気の立つ家」が2008年のわが家の目標となった。
もともとわたしは毎朝カフェオレを飲むのだけれど、ダンナが起きだす頃には湯気の気配は消えている。ダンナが起きてくるのに合わせてやかんを火にかけ、ほらこれを見よと湯気を立てるようになった。ダンナはコーヒーを飲まないので、新年からはティーポットで二人分のお茶を入れている。いただきものの紅茶がたっぷりあるので、いろんなフレーバーを楽しめる。さらに、しばらく休んでいたパン作りを再開した。三日から三日連続焼いてみると、少しずつカンを取り戻して、うまく膨らむようになり、同じ分量の粉なのに出来上がりのパンの数がふえていく。三日は小麦粉:全粒粉を4:1ほどにし、四日はその逆の配合にし、五日は全粒粉の代わりにライ麦粉を混ぜた。焼きたてのパンからは湯気と一緒に香りが立ち上る。
わたしの好きなお茶やパンを用意すればもれなくついてくるものなので、「湯気の立つ家」は決して難しい目標ではない。あたたかくて穏やかな家庭の代名詞のようでもあり、これを心がければいい一年を送れそうな気がする。「埃の立たない家」というのもあるが、年始の誓いは否定形の入った引き算より前向きな足し算のほうがいい。「君は頭からはよく湯気を立てるけどね」とダンナ。そういう憎まれ口をたたかなきゃ湯気を立てないのに。
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