このごろ絵本の読み聞かせが面白くなってきた。以前は落ち着かず、ページにかじりついてばかりだったけれど、少しずつ反応を見せてくれるようになると、はりあいが出てきた。夜寝る前に、「読んでほしい絵本もっておいで」と言うと、自分が好きな本を選んで棚から抜き出し、わたしのところに持ってくる。あぐらをかいて体を左右に揺らし、「がたんごとんしながら読んで」とねだる。『がたんごとん がたんごとん』を読むときに膝を電車代わりにするのが気に入って、他の本を読むときも膝電車に乗るようになった。
『うさこちゃんとどうぶつえん』に登場する動物たちに合わせて身振りをつけて読んでいると、「きりんさん、くび、なが〜いよ」と背丈を測るように手を挙げる仕草を真似するようになった。自分からキリンのページを広げて、何度でも「なが〜いよ」をやって見せる。キリンを表現できることがうれしくて仕方ない様子。
よっぽど気に入ったのか、他の絵本を広げても「キリン」の仕草をやっている。「これにはキリンさん出てないでしょう」とその絵本、『じゃあじゃあびりびり』を覗きこむと、踏み切りのページだった。黄色と黒の長細い姿。確かに似ている。キリンとフミキリ、字面も似てなくはないと発見。「フミキリン」なんてキャラクターがいてもいいなあ。キリンの顔した踏切。そう思って検索をかけたら、秋田にフミキリンの看板が立っているらしい。
たまにとっては踏切もキリンに見えるのかあと感心して、つい最近読んだ新聞記事を思い出した。「赤ちゃんは何でもおもちゃにしてしまう天才」なのではなく、「おもちゃとそうでないものの区別がつかない」のだと書いてあった。踏切とキリンの違いを知った上で踏切を見てキリンにたとえたら詩になるけれど、今のたまは、二つの違いが見えていない。だから、踏切に向かって「キリンさんだ〜」と無邪気に突進したりしないように、注意を払わなくては。
2006年10月06日(金) マタニティオレンジ15 がんばれ母乳部
2005年10月06日(木) 行動する芸術家・林世宝さん
2004年10月06日(水) ローマの一番よい三流のホテル
2002年10月06日(日) 餃子スタジアム