近所のお肉屋さんの入口に「バーベキュー」の張り紙を見つけ、店の人に聞いてみると、この近くで病院をやっているお客さんが毎年開いているものだという。近所の人はどうぞということなので、一家で出かけることにした。
開始30後頃に到着すると、バーベキュー会場に変身した医院の駐車場には、すでに50を下らない家族連れがつめかけ、テーブルはすっかりふさがっていた。空いているのは、今バンドで演奏しているメンバーの席だけ。演奏の間、そこに落ち着かせていただく。ちょうど、かぶりつき席で、同じテーブルの女性はバンドメンバーの関係者らしく、演奏の合間に「ビール持ってきてくれ」「ダメ」というジェスチャーでのやりとりが繰り返される。すでにいくらかアルコールが入っているようで、ほろ酔いで演奏してらっしゃるのだが、いい感じに力が抜けて、心地よい音になっている。
娘のたまにとっては、はじめて聴くジャズの生演奏。CDでもわが家ではジャズなどめったにかからないのだけれど、たまはずいぶん気に入ったらしく、わたしの膝の上で立ち上がり、しきりに手拍子を贈っている。絶妙なタイミングで「オー」やら「ホー」やらかけ声も飛び出す。バンドの方もそれに気づいて応じてくださり、わたしとダンナは「うちの子はジャズがわかる!」と大興奮。バレエ『白鳥の湖』を観て胎動を感じ、「うちの子はチャイコフスキーがわかる!」と生まれる前から親バカになっていたが、もしかしたら、本当に音楽を感じる才能がすぐれているのではないか。将来、この子が音楽の道に進んだら、「生まれる前にチャイコフスキーを理解し、0歳にしてジャズにスイング」したと触れ込むことにしよう。
演奏が終わったバンドメンバーの方々がテーブルに戻ってきて、「ノリノリでしたねえ」と声をかけてくださる。夫婦二人だけの参加だと、二人だけで黙々と肉を食べて帰ってくるだけになっていたかもしれないけれど、子どもが会話のきっかけになって、初対面の方とも話がはずむのはありがたい。
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