はじめて大阪での仕事が入り、帰省がてらたまを連れて大阪へ。伊丹空港にはイケちゃんサンちゃん夫妻が明石から車を飛ばして迎えに来てくれる。夫妻とは、一昨年11月に軽井沢で行われた広告会社時代の同僚E君とT嬢の披露宴で知り合って以来の再会。イケちゃんはE君と幼稚園から中学校まで同級生。E君の高校時代の同級生で、これまた披露宴で意気投合したフクちゃんと、その彼女で4月に東京のわが家にフクちゃんとともに遊びに来てくれたサトちゃんと合流し、天神橋商店街の中にあるお店でうどんすき。たまもお相伴に預かり、長いままのうどんをずるずると食べる。「にょろにょろしたものが好きみたい。電話線とかコードとかベルトとかネクタイとか」と言うと、「そしたら、これはどう?」とイケちゃんが箸袋をくるくると丸めて、開いているほうから息を吹き込み、伸び縮みさせて遊んでくれる。子ども一人に大人が5人。右から左から前からたまちゃんたまちゃんとあやされ、たまは「あたしが主役ね」と言わんばかりに歓声を上げて絶好調。
関西テレビの社屋まで歩き、その裏にある大型遊具の充実した扇町公園で遊ぶ。「たまちゃん、すべり台あるで!」とたまを抱っこして駆けて行くフクちゃん。どっちが子どもかわからんなあ、と笑いながらぞろぞろついていくと、トンネル型のすべり台をフクちゃんに抱かれて滑り降りたたまは号泣。「ああっ、フクちゃん泣かした!」「暗闇で怖かったんちゃう?」とやいやい言われ、フクちゃんは懸命にたまをなだめながら、「ほな、水遊びしよか」と今度は噴水へ移動。噴水エリアには入れなかったけれど、そばにあった水飲み場の蛇口から水を出して、パシャパシャ。
関西テレビの中にあるキッズパークはあいにくお休みだったけれど、トイレにはおむつ替えシートがあり、助かる。「売店でええもん見つけた」とフクちゃんが差し出した袋の中身は、間テレのキャラクター・ハチエモンの吹き戻し。先ほど箸袋を吹きながら、「こういうおもちゃあったなあ」「どこで買えるんかなあ」などと話していたので、「よう見つけたなあ」と感心する。ところが、この吹き戻し、笛つきになっていて、息を吹き込むとラッパのような威勢のいい音を立てる。たまはびっくりして泣き出してしまった。
次は甘いもん食べにいこ、とフクちゃんおすすめの「五感」というパティスリーへ。洋館の一階がテイクアウトのお店で、回廊になっている二階がティールーム。階段下の行列を見てティールームは諦め、ケーキを買ってフクちゃんのデザイン事務所で食べることに。ケーキもパッケージも店内のレイアウトも洗練されたデザインで、「大阪にもこんなお洒落な店があるんやなあ」と感心する。わたしの大阪カフェ歴は「1リットルパフェ」めぐりをしていた高校時代で止まっているので、「どやっ」という押し出しの強い店ばかりが記憶にある。フクちゃんちティールームではハイハイも授乳もできて、大きな声を出しても気兼ねがいらず、たまにとってはこちらのほうが居心地が良かった。大人5人が5種類のケーキをぐるぐる回してつつきあうテーブルの下で、たまはテーブルの脚を支えにつかまり立ちスクワットを繰り返していた。
帰りはイケちゃんサンちゃんが堺の今井家まで送り届けてくれ、たっぷり半日つきあってもらった。たまはすべり台とハチエモン吹き戻しに泣かされた以外はほとんどぐずらず、ごきげんにしていた。自分に関心を注いでくれる人が、ちゃんとわかるのかもしれない。
2005年07月07日(木) 串駒『蔵元を囲む会 天明(曙酒造) 七夕の宴』
2002年07月07日(日) 昭和七十七年七月七日
2000年07月07日(金) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)