更新が滞っている14回分をすっ飛ばしてマタニティオレンジ135回目は、8月22日生まれの娘のたまの10/12才会。今月のゲストは、ダンナが東京国際マラソンを一緒に走った、わたしたち夫婦より少し若い三十代前半のU君、O君、M君の三人組。事前にわたしの日記を読んで研究してくれたらしく、お楽しみのケーキも前日から気合を入れて予約。すべり出しは絶好調だったのだけど、当日になってブレーキ。店にケーキを取りに行ったM君から「ちょっとトラブルがありまして、いま、後楽園から池袋に向かっているので遅れます」と連絡があった。電話を受けたダンナと「なぜ、ケーキのトラブルで後楽園から池袋へ?」と首をかしげているところにU君とO君が到着し、「M君、ケーキを電車の中に忘れちゃったらしいです」。網棚の上に置いたまま後楽園で電車を降りて気づき、血相を変えて池袋の忘れ物センターへ取りに向かったのだった。「M君ならありうる」「いつものことながら、おいしい」とわたし以外の三人がうなずきあうのを見て、会う前から「うっかりM君」のキャラクター設定は出来上がった。
2才の女の子がいるU君ばかりか独身のO君とM君も子ども好きなのには驚いた。親バカのダンナを筆頭に男四人で「いないいないばあ」の大合唱。パパが4倍に増えたようなにぎやかさに、緊張気味だったたまも自分からすりすりするまでに。たまはこの一か月でつかまり立ちの安定感がさらに増し、片手で軽く支えるだけで直立できるようになった。ときどきその片手も離してバランスを崩し、本人も親をヒヤリとなる。歯は上2本下4本。わたしを見て、はっきりと「ママ」と呼ぶ。保育士さんを「センセ」と呼ぶこともあるとか、離乳食がなくなると「ナイ!」と訴えるとか、保育園の日誌で報告は受けるけれど、まだライブで確認はしていない。
マラソンの打ち上げを兼ねての誕生会ということで、「たまちゃんかわいい」「たまちゃん面白い」に大会の武勇伝がサンドイッチされる。ここでもM君は「仲間うちでただ一人、時間切れで関門に引っかかり完走できなかった」というおいしい位置づけ。関門でテレビ局のインタビューを受け、「コンビニで買い物してたら遅くなっちゃいました」とコメントしたのが放送で使われたとか。ポケットに忍ばせた2000円で飢えを凌いだのだった。お金を持ち合わせていなかった他の三人は、ありあまるほど用意されると聞いていた差し入れが、自分たちが通過する前に食い荒らされて何も残っていなかったことを嘆きあう。「でも、アミノバイタルのドリンクはありましたよね」「あったあった」という話になると、「僕のときは、紙コップだけ散らばってました」とM君。つくづくおいしい。「バナナは皮ごと渡してほしかったのに、皮をむく間待つのがまどろっこしかった」「でも、走りながら皮をむくとゴミになるからダメなのでは」「いや滑るからでは」などという妙に細かい話も拾えて面白かった。
「M君の真似じゃないけど、わが家もハプニングがありまして」。食欲旺盛なアスリートの胃袋に応えて手料理をふるまうつもりが、予定外の鎌倉セピー邸宿泊で作戦変更。昨夜テソン君が腕をふるった晩ごはんが大移動してわが家のテーブルに並んだ。チリビーンズ、韓国風ゆで豚、テソン君のオモニが仕込んだキムチ、テスン君に調味料をまるごと分けてもらって作った蛸のサラダ、どれも好評で、鎌倉出発前に仕込んでおいたものの何がしたいんだかわからなくなってしまった初挑戦の野菜のテリーヌの痛々しさをカバーしてくれた。定番のステーキとガーリックライスは焼き加減、味加減ともにいい感じで成功。
宴もたけなわ、後楽園から池袋忘れ物センターを旅したバースデーケーキは原型をとどめているのやら、ドキドキしながら箱を開けると、箱に激突して一部崩れているものの「セーフ!」。丸の内オアゾに入っているSOMETHING ROUGEというお店のデコレーションケーキで、名前からして苺のケーキの専門店らしい。「苺だけだと淋しいかなと思って、ブルーベリーも足してもらったんです」とM君。ホワイトチョコレートのプレートもかわいらしくて、これは電車に忘れちゃったからといって、そこらのお店で代わりはきかない。「見つかってよかったよかった」と幸運を噛み締めていただく。スポンジを積み重ねるのではなく、縦置きのロールケーキになっているのが特長。クリームもスポンジもふわふわの口どけ、M君のうっかりハプニングのおいしさに負けていなかった。
2005年06月24日(金) 『子ぎつねヘレン』ロケ見学7日目
2004年06月24日(木) 東京ディズニーランド『バズ・ライトイヤー夏の大作戦』
2000年06月24日(土) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/27)