4月4日から毎日少しずつ時間を延ばして保育園に慣れさせてきた「慣らし保育」が本日で完了。来週からは、延長保育なしでめいっぱい預けられる18時15分まで預けられることになった。朝は7時15分から保育を受け付けているけれど、わたしは朝いちばんの打ち合わせでもたいてい10時以降なので、9時頃に預けに行く。約9時間の保育となる。9時間あれば、ハシゴで映画三本観られる。DVDなら四本いける。打ち合わせも短いものなら三本入れられる。子どもを抱っこしていると、どうしても子どもに意識が集中してしまうけれど、一人で街を出歩くと、なにげないネタが目に留まったり耳に入ってきたりしやすくなる。
店員「当店ではサービスでイニシャルをお入れできるんですが、お名前をうかがってよろしいでしょうか」
客「(ぼそぼそ)」
店員「そうしますと、イニシャルがT.T.となりまして、どちらが苗字でどちらが下の名前かわからなくなりますが、よろしかったでしょうか」
客「(ぼそぼそ)」
声の小さなお客さんは何と答えたのだろう。しょうがないですね、だろうか。どうしろっていうんですか、だろうか。
仕事はなるべく保育時間内に納めて、子どもと過ごせる時間は、子どもと向き合うことに使いたい。いくつかの仕事の依頼を断った。今までなら「徹夜してでもやります」と引き受け、よっぽどのことがない限り断ることはなかった。でも、今は少し余裕を残しておくぐらいの仕事量にとどめようと思っている。やっぱり受けとくべきだったんじゃないか、と後悔したり、もう声をかけてもらえないかもしれない、と不安になったりはする。けれど、母親という役割をいちばん大切にしたい。
保育園に通わせることで、増えてしまう仕事もある。名前付けは入園で一段落したけれど、園との連絡ノートは毎日書かなくてはならない。睡眠時間や食事の内容、気づいたことなどを保護者が記し、保育士さんは園での様子や気になったことを記す。手間と時間は取られるけれど、これはこれで交換日記のようで楽しい。後から読み返せる成長記録にもなる。週末ごとの布団カバー取替えをはじめ、洗濯物は倍増。すぐに洗って乾かさないと間に合わない。保育園に預けたらほったらかしでは……どころか、家にいるよりよく面倒を見てくれ、少しでも汚れたり汗をかいたりしたら、着替えさせてくれる。おむつもこまめに替えるので、やたらと減りが早い。家にいるときは「まだいける」とおむつが重くなるまで持たせたりしていたが、さすがに「おむつがもったいないので、ケチってください」とは言えない。さらに、こんなときだけくじ運の強さを発揮して保護者会の役員になってしまった。甘く見ていたら、けっこうやることがたくさんある。ひと月からふた月に一度の役員会に出たり、通信を書いたり。わたしは会計を務めることになったので、会費の徴収やら会計報告やらをしなくてはならない。ひさしぶりに書くコピーが「会費納入のお願い」のプリントとは。どうやったら会費納入率が上がるか、元コピーライターとしては工夫したくなる。カラーの紙に印刷してはどうだろう、会費を投函するポストまわりにPOPを立てようか、などと考えている。
早寝早起きになり、家族以外に「おはよう」「行ってきます」と挨拶することが日課になった保育園通いは、わたしの生活に大きな変化をもたらしたけれど、7か月半の娘のたまにとっては、生まれて以来の大事件と言っていい。新しい環境の中で、はじめて会う先生や同級生に囲まれて、違う国に引っ越したような刺激を受けているに違いない。わずか8日間の保育園通いで、ハイハイも離乳食の食べっぷりも飛躍的に進化した。連絡ノートには、家では見たことのないたまの姿が綴られている。おもちゃのピアノを得意げに弾いていたり、トンネルくぐり遊びに夢中になったり。他の赤ちゃんに興味津々で、ハイハイで近寄っては手を伸ばして触っているらしい。「たまちゃんは人が好きみたいですよ」と保育士さん。病気はもらわず、いい影響だけ受けて欲しい、と親は調子のいいことを願っている。
2006年04月13日(木) ヘレンウォッチャー【「子ぎつねヘレン」の夕べ編】
2005年04月13日(水) お風呂で血まみれ事件
2002年04月13日(土) パーティー