わが家は長年「客の寄りつかない家」だった。わたしが会社勤めしながら脚本を書いていたせいで、どうしても週末を執筆にあてなくてはならない事情もあり、客をもてなすどころかダンナの食事の支度さえもままならない。それ以前に家の片づけにも手が回らず、とても人をよべる状態ではなかった。それでも年に何人かは運良く(悪く)訪れる人があり、手料理らしきものを出したりしていたけれど、作り慣れてないのが見え見えのお粗末な出来栄えで、食べ始めた途端、皆が一斉に満腹を訴える有様。一度来た客は二度と戻って来ない、とさえ言われていた。
会社を辞めて週末に休む習慣ができてから、休眠状態だった家事機能が働くようになった。資料の雪崩がそのまま万年雪になっている床を片付けると、お客様が座れるぐらいのスペースはでき、おっかなびっくり飲み会などを開くようになった。それでも月にひと組ふた組来ればいいほうだったのだけど、昨夏に娘のたまが生まれてからは状況が一変。「赤ちゃん見せて」と週末ごとに誰かしらやって来る。普段親しくしている人もいれば、もう何年もやりとりしていない人もいて、新幹線や飛行機ではるばる来てくれる人までいる。定期的に人が来るので、部屋もそれなりに片付いた状態を保てるし、料理をする機会が増えたおかげでわたしの手際も少しずつ良くなってきた。こうなると「また来てね」の図式は作りやすく、わが家は「客の絶えない家」にめでたく昇格。赤ちゃんの集客力、おそるべし。
今日は会社時代のひとつ上の期のカワムラとワカが遊びに来てくれた。カワムラとは半年ぶりだけど、ワカとは5年ほど会っていない。たまが生まれてなかったら、会う機会を逃したままだったかもしれない。赤ちゃんは再会も運んできてくれる。
2005年01月27日(木) 石井万寿美さんとお茶
2004年01月27日(火) 映画『問題のない私たち』(脚本・監督:森岡利行)
2002年01月27日(日) 詩人