2004年01月27日(火)  映画『問題のない私たち』(脚本・監督:森岡利行)

新宿の安田生命ホール(明治安田生命ホール?)にて、「問題のない私たち」試写会。黒川芽以ちゃんの初出演映画で、脚本・監督は森岡利行さん。上映前に森岡さん、芽以ちゃん、出演の沢尻エリカさん、美波さん、森絵梨佳さん、小松愛さんが舞台に立ち、島田律子さんの司会進行で挨拶。高校生役の女の子たちのかわいさに、客席からはため息。「すごく頑張った作品」「大変だった」と言いながら強くうなずいていたので、体当たりの演技が期待できそう、と楽しみが膨らんだところで上映開始。

スクール水着にはじまり、制服、ビキニ、浴衣、寝巻き浴衣に寝顔、今や貴重なブルマー姿まで見せてしまうサービスっぷり。その一方で、伝えたいメッセージをしっかり盛り込み、問題を投げかけているのは、さすが森岡監督。水着に釣られて見に来た人が不覚にも涙ぐみ、イジメについて考えてしまう図式がしっかり出来上がっているのだった。生徒間のイジメにフォーカスした前半と、先生や学校という権力や圧力が絡むイジメに話が転がっていく後半の2部仕立てになっているのが面白く、主人公の立ち位置がめまぐるしく変化するので目が離せなかった。

作品の中ではいじめる人、いじめられる人が次々と変わる(まるで順番のように)のだけど、それは現実も同じで、いじめたこともいじめられたこともある人はかなりの数にのぼると思う。会場からは何度かすすり泣きが聞こえたけれど、かつていじめた人やいじめられた人、あるいは今いじめている人やいじめられている人がヒロイン達に自分を重ねたのだろう。原作は別冊マーガレットに連載されていた同名の漫画。その漫画の元になった小説の作者は執筆当時高校生だったとのこと。「考えさせる作品を作りたいんですよ」と森岡監督。志通りの見ごたえのある作品に仕上がっている。2月28日からポレポレ東中野にて。大阪、名古屋でも公開。

2002年01月27日(日)  詩人

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