生後0〜3か月の赤ちゃんとそのお母さんが集う「おしゃべりルーム」という会に出席。区の保健センターの一室、大きなおなかを抱えて母親学級を受けた同じ部屋に、今度は子どもを抱えて集まる。20組ぐらいの母子が順番に自己紹介し、あとは車座で二時間ほどおしゃべり。話題は子どものこと中心というか、子どものことばかりなのだけど、「うちの子、手の甲に蒙古斑があるんです」「指しゃぶりがひどくて」「母乳100%?」「お風呂どうしてる?」「保育園どうしよう」「ベビーカー買った?」などなど話してたら、自分のことを話す時間は残ってなかった。わたしは母親学級では誰とも連絡先を交換するような仲にならなかったのだけど、今日はけっこう話が盛り上がった。ベビーヨガのクラスで習った赤ちゃんが泣き止む「木の上の虎のポーズ」や赤ちゃんが喜ぶ「蝶のポーズ」を披露したり、TOHOシネマズにママズクラブシアターってのがあるよと教えたりして、日頃あちこち出歩いているおかげで話題提供できた。
わたしが住んでいる文京区は東京都で下から五番目の出生率らしく、少子化を食い止めるために頑張っている。区役所のある庁舎内には授乳室やキッズルームがあり、1才を超えると3時間2500円で一時預かりもしてくれる(3時間じゃ何もできない、という声もあり)。今年は「子育てアシストお買い物券」なるものが支給され、わが家も5000円分の買い物券を家計の足しにさせてもらった。乳幼児の医療費が無料になる医療証が交付され、主だった予防注射も無料で受けられ(これは全国共通か?)、BCG接種つきの四ヶ月検診も2日に分けてしっかりやってくれる。子どもが生まれると、「税金の元を取ってる!」と実感できる。
ただ、不思議というか不満というか腑に落ちないのが、役所から届く子育て関連の文書のあて先。「○○○○(子どもの名前)さんの保護者様」という表記でなければ、ダンナの名前。わたしの名前で届いたものは一通もない。「男女協働子育て支援部」からの案内さえダンナの名前だけで、「男女協同ちゃうやん!」と封筒相手に突っ込みを入れた。お役所文書的には世帯主の名前にするのが自然なのかもしれないが、母親のテンションは下がる。予防接種の案内に至っては、ダンナと娘の連名。あて名ラベルに仲良く並んだダンナと娘の名前を見て、「母親はのけものか」といじけたくなった。予防接種に連れて行くのは9割方母親だと思うのだが、保険証の関係なのだろうか。母親の名前だけでは不都合があるのなら、両親の名前をのっけてはどうだろう。脚本家のクレジットと同じく、たかが一行、されど一行。子育ての主役は母親とか言いながら名前を外すのはいかがなものか。そんな矛盾も子どもを産まなければ気づけなかったし、役所の文書ひとつ取っても子育ては発券に満ちている。
2005年12月07日(水) 『陽気なギャングが地球を回す』試写
2004年12月07日(火) 俳優座劇場『十二人の怒れる男たち』
2003年12月07日(日) どうにも止まらぬ『剣客商売』