2006年10月02日(月)  マタニティオレンジ13 おかげの花


子どもができたおかげで得るものがある反面、子どもができたせいで失うものもあるという。けれど、いま諦めなくてはならないものは一時的なもの。「せいで」より、「おかげ」を数えられるほうが幸せだと思う。実際、今は祝福される一方で、「おかげ」と思えることばかり。そのひとつが、花。

いちばん気の早い花は予定日より二週間以上早く、8月2日に届けられた。「20日(はつか)」と伝えたのが「2日(ふつか)」と記憶されたのか。「出産祝い」の伝票がついたバラを届けた花屋のお兄さんは、わたしの大きなおなかを見て「?」となった。カードには「日本一可愛い子どもに育ててください」とあり、こりゃあしっかり産まなきゃ、という気持ちに。いい景気づけになった。

友人夫妻から贈られた花は「ピンクがお母さん、オレンジがお父さん、真ん中の白い花が赤ちゃん」というアレンジメント。無垢な小さい蕾を守るように二色のガーベラが花びらを開いた姿はとてもあったかくて微笑ましくて、こんな家族になれたらいいなと思った。

二人合わせて155歳のヨゴ先生とタカダさんはピンクの薔薇と一緒にベビーシューズを贈ってくれた。「皇后陛下が親王様のお誕生祝いに靴をお花に添えて贈られているのを見て、急いで買いに行ったんです」とタカダさん。たまが歩けるようになったら、ふわふわの靴を履かせて、花を探しに行こう。
。「たいていのものは贈られていると思いまして」と立派な蘭の鉢植えを贈ってくださったのは、脚本家で監督の森岡利行さん。おもちゃ箱みたいなガチャガチャしたわが家で異彩を放っている。

花といえば、日本人の母とイラン人の父を持つ友人セピー君のお母様、ハギギ志雅子さんの著書『そこは、イラン―私が愛してやまない国』の中に「すぐに引っ越すことが決まっていても、家には必ず花を植えた」ということが書かれてあり、セパンタの優しさのルーツを見た思いがした。花という命は、注がれた愛情を人に分けてくれるのかもしれない。

2004年10月02日(土)  「平均年齢66-1才」若返りの会
2000年10月02日(月)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/12/02)

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