2006年10月01日(日)  マタニティオレンジ12 お宮参りイベント

赤ちゃんが生まれると、これまで縁のなかったイベントがちょこちょこ楽しめる。出産七日目の命名式は退院した日(出産五日目)に家族で食事したときに簡単に済ませたが、次なるイベントはお宮参り。

お参り先はダンナ兄妹もお参りした明治神宮。大安の日曜日とあって新生児を抱いた家族グループや花嫁が目立ち、外国からの観光客も押し寄せ、朝からけっこうなにぎわい。初穂料一万円を納め、受付を済ませ、三十分ごとに数十組が名前を呼ばれ、本殿(と呼ぶのだろうか)に上がって祈祷を受ける。朝礼のクラス順のように家族ごとに縦一列に並ぶのだが、最前列は赤ちゃんを抱いたばあば(父方の祖母がだっこするものらしい)たちの「泣かせてはならじ」合戦。膝クッションで赤ちゃんを微妙に揺らし、子守り歌のリズムで背中をポンポンとたたく。懸命の努力にも関わらず、どこかでギャーと声が上がると、それに応えて赤ちゃんコーラスがはじまり、和やかな笑いを誘う。鈴あり、太鼓あり、雅楽の演奏や美しい装束をまとった巫女(だろうか)さんの舞も披露され、ちょっとした伝統芸能の舞台を見ているよう。外国人観光客がこれを見たらさぞ喜ぶのではと思ったりする。守護札、お神酒と神饌(神様のおさがりのお菓子)、お食い初めの器セットまでいただけて、なんだかとても得した気分。

お参り後の家族の会食は「家で適当に」のつもりだったのだが、「お祝いの席だし、お店で会席料理もよいかも」と思い立つ。赤ちゃん連れでも気兼ねないよう個室のある店を求めてあちこち電話し、「いっぱいです」と断られ続けるうちにフォーシーズンズの日本料理店から電話を回されたのが、椿山荘の料亭『錦水』。十ある個室の最後のひとつ、残月という離れの別邸が空いていた。予算を聞いてひるみかけたが、予約の確認の際に「大人六名様と今お母様の腕に抱かれていらっしゃるお子様」と言われ(電話をかけるわたしの腕の中で、たまがぐずっていた)、「ここなら間違いない」と確信。実際、大きな窓から日本庭園をのぞむ部屋にはベビー用スイングと布団、毛布が用意され、仲居さんは料理を運ぶたびに違う言葉でたまを褒めてくれ、これなら個室料とサービス料も惜しくない、と思えるもてなし。もちろん、料理は格別。細く切った昆布で編んだ網など、見た目まで味わい深い。出産後はじめて、四十日ぶりの外食ということもあって、全身が味覚細胞になって踊るよう。食べきれない家族の分まで引き受けて平らげる。そして、ひさしぶりに飲んだ日本酒のおいしいこと!今日十月一日は「日本酒の日」でもあるらしい。これでは、まるでわたしの慰労会。

2004年10月01日(金)  「Licensing Asia2004」にCook81(クック81)登場
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