個展のたびにパワーアップしている友人ミヤケマイの「おそろい展」へ。会場の二期ギャラリーを探してお堀端を歩いていて、「あら素敵なマンション。一階はブックカフェかなあ」と目をやったら、中からミヤケマイが手を振っていた。「知的に騒がしい」と自称するギャラリー。重厚な書棚の間に見え隠れするように作品が展示され、大邸宅の書斎にお邪魔したよう。
知的な遊び心に満ちていて、とんち絵のような面白さがあるミヤケマイ作品。毎回違うツボをくすぐってくれるが、ぼんやり眺めていると、せっかく仕掛けた遊びを見過ごしてしまう。「このサイコロも展示しているのかなあ」と首をかしげているダンナよ、今回のテーマは「おそろい」、キミがうかつに手にしているサイコロはその上の壁に飾ってある絵のモチーフと「おそろい」なのだよ。絵の中のサイコロの目がそろってないかも見てみよう。おそろいのラケットで遊ぶテニスの絵、バトミントンの絵の下の棚にはそれぞれボールと羽根が転がっている。そして作品名『チョコレートとパイナップル』の下の棚に並んだ本のタイトルは、『チョコレート革命』『パイナップリン』……。よく見ると、他の作品と書棚の本もおそろい。「ギャラリーの書庫から合う本を探してきたの」とマイさん。「おめでタイ」という鯛が連なってレイになるカード、ラムネの香りのする文香など、グッズも洒落がきいている。
ミヤケマイ作品を飾れる壁のある家に住むのは、わたしのささやかな夢。いつものように「飾るならこの絵」と品定めしながら見て回ったのだが、今日は「たまならどの絵が好きかな」と想像していることに気づいた。卵をモチーフにしたら、ミヤケマイはどう調理するのだろう。卵のマトリョーシカでタマトリョーシカなんてどう?次回個展は年末年始にかけて渋谷bunkamuraギャラリーにて。
2003年09月30日(火) BG SHOPでお買い物