近所のレディースクリニックで二度目の検診を受けたとき、「出産はどちらの病院でされますか?」と聞かれ、「ここで産みたいと思ってます」と即答した。家から徒歩五分、ここなら這ってでも来られる。ところが、「うち、分娩設備はないですよ」。急遽、産院を探すことに。
一人しか産まない可能性も高いし、贅沢してみるか、とセレブ出産で知られる病院で出産した友人に「どうだった?」と聞いてみると、「確かに値が張るだけあって(※出産入院費用は通常の約二倍の80万円〜)至れり尽くせりなんだけど、私は使いこなせなかった」という答え。「でも、食事なんかは豪華だったでしょ」と聞くと、「普通の病院食よ。まずくはないけど、すごくおいしくもなかった」と言う。
それを聞いて方針転換。入院したことのないわたしは、「病院での食事は、空の旅における機内食のように大切な位置を占めるに違いない」と想像していたので、食事が普通では困るのだった。「食事がおいしい 産院」をネット検索してみたところ、ヒットした助産院は家からのアクセスもよく、電車で7分、歩いて45分。「魚河岸直送の母乳にいい食事」とサイトで紹介されている写真もおいしそう。
こうして食事が決め手で選んだ助産院での出産。期待した食事はもちろん、産前の指導も産後のフォローもばっちり。検診のときから出産まで同じ助産師さんが診てくれ、専属のコーチがついたような頼もしさがあった。待ち時間は短く(わたしの場合は一度も待たされなかった)、一回の検診にじっくり時間をかけて、話を聞き、話を聞かせてもらえる。検診のたびに、どんどん出産が楽しみになった。実際、「思い残すことなし!」な出産ができたと思う。わたしにとってはいいことづくめだった助産院での体験は、書きたいことがたくさんあるので、あらためて、少しずつ。
2004年09月07日(火) 韓国のカメラマン Youngho KWONさん