E君とT嬢は、これまた食事をおいしくする最強カードの二人。三人そろうのがひさしぶりなこともあって、いつも以上に話が弾み、よく笑い、よく食べた。デザートが運ばれる時間になって、揺れるキャンドルの光とイタリア語の「Tanti Auguri a voi」の合唱がテーブルに近づいてきた。まわりのお客さんたちもおしゃべりをやめ、拍手を贈ってくれる。苺のティラミス、ベリーのプリン、セミフレッドのデザートの上にキャンドルを掲げたバレリーナが立っているのがお茶目。T嬢が見立ててくれたサラダカラーの花束にも感激。家に帰って活けてみて、春だなあ、と思う。冬生まれなのに、春に誕生日気分を味わえるなんて、ぜいたくな話。バレリーナは、新天地のプミラの土の上で回ってもらうことに。