■20世紀に上京した頃から気になっていたお好み焼き屋『浅草染太郎』へ。浅草駅から歩くと10分以上かかり、田原町からのほうが近い。時間が止まったようなレトロな座敷にはクーラーなんて文明の利器はなく、鉄板の熱で気温はうなぎ昇り。「おいしい」よりも「暑い」を連発することになるが、それもまた楽しい。野菜の蒸し焼き(と呼ぶのかどうか、野菜が載ってきたお皿をかぶせて蒸し焼きにする)にはじまり、ところ天で締める宴会コースを注文。大阪のお好み焼きで育ったわたしにとっては、びっくりする味ではなかったけれど、タイムスリップしたような昭和の匂いを味わう。互いの手際を持ち上げたり笑ったりしながら鉄板を囲むのも楽しい。名物と言われるシュウマイ焼きは、おもちで作った土手の中に、シュウマイの具っぽい味付けのタネを流しこむ変り種。単品で400円未満のものもある良心的なお値段も、ひと昔前の時代のよう。だけど消費税込み価格を上から貼った跡を見ると、平成16年なのだ。その価格シールも半年を経て、すでにいい色に染まっていた。
2003年09月17日(水) Virginie Dedieu(ビルジニー・デデュー)
2002年09月17日(火) 宮崎映画祭『パコダテ人』上映と手話