2004年08月08日(日)  ミヤケマイ展『お茶の時間』

個展のたびにファンと発注が増えている友人ミヤケマイ、ついに渋谷bunkamuraギャラリーから声がかかった。今回のテーマは『お茶の時間』(7〜18日 10:00〜19:30)。帰国子女なのに、いや帰国子女だからこそ、着物にも茶道にも日本の古典にも明るい彼女は、和のテイストをモダンに表現する天才。前回に引き続き、浴衣の新作を披露するとともに、器にも挑戦。砂を吹き付けて彫るサンドブラスト(だっけ)という方法でガラスに模様を刻んでいる。絵も茶室に合いそうなモチーフが中心。和菓子で四季を綴った作品は、月ごとに吟味されたお菓子にまじって蟻がちゃっかりいる茶目っけが彼女らしい。早速買い手がついていた。「絵を飾れる壁ができたら買う」と言っているわたしは、今回も絵葉書と便箋で我慢。ファッションにも続々進出中で、ユナイテッド・アローズのグリーンレーベル(子供服)とのコラボTシャツは150cmサイズまであるそう。来夏用のティンカーベルとのコラボ水着は「今井が着るとやばいと思う」(ミヤケ談)。

いつもは会場であわただしく言葉を交わすだけなのだけど、今日は個展のあと、友人知人たちでミヤケマイと飲むことに。「ずっと家でこもってるから、人と飲むのひさしぶりやわー」と関西弁(関西人ではないけど好きらしい)モードの彼女は「ピカソはマティスに負けたくなくて、マティスに先回りしようしようと思ってどんどん作風変えてん。だからピカソを作ったのはマティスやと思う」といった美術談義をたっぷり聞かせてくれ、話は少女漫画論(くらもちふさこを絶賛)やコミケや画廊に及び、「魂を売らんと絵を売っていかんとあかん」と熱弁をふるう。

今井雅子作品の案内メールを流すと、いつもいちばん熱い激励の返事をくれるミヤケマイは、大胆なようで繊細で、器用なようで努力家で、五感も知識も記憶も手足もフル稼働させて作品を面白くするために心血を注ぐ職人。近いうちに日本を代表するイラストレーターになるはず、いや、もうなりつつあるので、要注目。

2002年08月08日(木)  War Game(ウォー・ゲーム)

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