2002年10月29日(火)  『風の絨毯』ワールドプレミア

■東京国際映画祭がはじまった。会社に近い渋谷で開催されているにも関わらず、これまで足を運ぶ機会がなかったのだが、今年は違う。『風の絨毯』が特別上映作品に決まったと9月に聞いてから、来るぞ来るぞという感じだった。街のポスターや横断幕、記事やニュースがやたら目についたのは、わたしがアンテナを張っていたせいもあるが、第15回という節目の年でメディア露出が増えたせいもあるのだろう。■今夜7時からシアターコクーンでの上映がワールドプレミア(世界初)上映となった。最後列のど真ん中の席で観る。「映写の邪魔になりますので、上映中は絶対に立ち上がらないでください」と貼紙があった。ふだんは埋まることのない席まで埋まっていると思うと、うれしくてゾクゾクした。いちばん上から満席のホールを見下ろすのは何ともいい気分。客席の反応もよく見えた。上映に先立ち、カマル・タブリージ監督、アクバル役のレザ・キアニアンさん、中田金太役の三國連太郎さん、永井誠役の榎木孝明さん、その妻・絹江役の工藤夕貴さん、娘・さくら役の柳生美結ちゃんが舞台挨拶。ペルシャ語と英語の通訳が入る。数十年前にテヘラン映画祭を訪れた思い出を語った三國さんの挨拶、「イランへ行ってきたと言うと、みんなに大丈夫だったかと聞かれるが、実際は安全で素晴らしい人々のいる国。情報よりも自分が見たものを信じたい」と言う榎木さんの言葉が印象に残る。■すでに試写を観ていたが、数十人で観る試写室とは迫力も臨場感も違い、新鮮だった。まわりの席は年配の方や外国人の方も多かったが、その反応を見ていて、この作品は世代も国境も超える力があると実感できた。■上映後、ホールで名前を呼び止められ、高山ロケのとき遊んでもらったユリちゃんとヒロコちゃんに再会。プロデューサーの益田さんのお嬢さんと姪っこさんだ。益田さんのお父さんにも再会する。高山ロケから7か月。あっという間だ。その後、関係者を集めたビュッフェ・パーティー会場へ。すっかり借りてきた猫になってしまった。

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