■シナリオを読むたび、うまいなあと感心させられる作家の一人に、向田邦子賞を昨年受賞された大森寿美男さんがいる。先月読んだ月刊シナリオに掲載されていた『命』と『木曜組曲』にもうなった。『木曜組曲』)の原作は恩田陸さん。この人の作品にも興味があるのだけれど、小説に出会う前にシナリオで出会ってしまった。月刊シナリオには「サスペンスなので映画を見てからシナリオを読むことをおすすめします」と注意書きがあったけれど、面白くて途中でやめられず、最後のどんでん返しまで一気に読む。それでもスクリーンで見たい気持ちは変わらず、今日、有楽町のシネ・ラ・セットで観る。女優さんたち(出演者は女性のみ!)がそれぞれ魅力的で目が離せない。西田尚美さんの着ていた衣装がツボに来る。題名にちなんで毎週木曜は1000円で観られるとのこと。■監督の篠原哲雄さんは、わたしが最初に出会った映画監督の一人。99年の函館の映画祭で遭遇している。同映画祭のシナリオコンクール受賞作で、『パコダテ人』と時を同じくして映画化された『オー・ド・ヴィ』の監督でもあるので、一方的に親しみを感じている。『木曜組曲』上映前に、99年に函館で観た『洗濯機は俺にまかせろ』の予告が流れた。ほとんど邦画を観たことがなかった当時、日本語の映画って面白い!と感じさせてくれた作品だった。 |