■友人たちに紹介された映画評論家や映画ライターの方に、パコダテ人マスコミ試写の案内を出す。年に何十通という試写状を受け取る方々だから、その一つに紛れてしまう恐れがある。少しでも心に留めてもらいたい。自己紹介も兼ねて、作品の生い立ちを紹介する。紙切れでしかなかったシナリオが前田監督に見出され、プロデューサーを巻きこみ、映画化にこぎつけ、多くの人の情熱に支えられて、予算やスケジュールの制約を感じさせない作品に仕上がったこと。大人も子どもも笑って泣けるファミリーエンターテイメントであることなど、作品に込めた思いを手紙に託す。ひさしぶりのペンだこの痛み。封筒に「パコダテ人試写の案内」とピンクのペンで大きく書き、色紙を切り抜いてしっぽを張りつけ、「ハッピーが生えてきた」とキャッチコピーをつける。切手は、ちょうどいいのがあった。シッポをピンと立てた犬の変形シール切手。わたしのことなど知らない方々に、作品の持つ手づくりのあたたかさが伝われば、いいなと思う。