2002年02月20日(水)  別世界

■イスファハンで撮影中の日本イラン合作映画『風の絨毯』。その撮影風景のドキュメンタリー映像を持ってプロデューサーが帰国。15分ほどにまとめ、関係者を集めて披露した。イランの映像資料はいくつも見たが、物語の登場人物が動いていると、また違った印象になる。染めた糸を干す中庭、石畳を走る馬車、噴水、モスク、バザール…。東京で会った主人公さくら役の柳生美結ちゃんも、女優の顔になっている。目の力が強く、なんとも言えない表情を見せる。「この子はいいねえ」と配給のソニーピクチャーズの皆さん方も唸る。「映画は生き物だから毎日変わると監督に言われました。前の日にリハーサルして、撮影当日にもう一度リハーサルして台詞を決め込んで、本番。いいペースです」とインタビューに答える榎木孝明さん。ヒゲと日焼けで逞しい顔になっている。脚本は日々変わっているようなので、報告映像だけではどういう展開になっているかうかがい知れないが、確実に言えるのは、日本とはまったく違った世界で日本映画とはまったく違ったテイストの作品が出来つつあるということ。タブリージー監督の思慮深そうな顔が何度か大写しになった。「いつも考えているんです」とプロデューサー。最高のシーンを撮るために全神経を集中させているのが見て取れる。監督を信じて突き進むのみ。■早く帰れたので、『ロングラブレター〜漂流教室』を見る。虎牙光揮君が出ているからと見始めたら、はまってしまった。二回に一回ぐらいしか見れないが、今日の回で虎牙君演じる人類の末裔らしき男は死に絶えていた。あたり前だと思っていた世界から突然切り離されたとき、人はどう生きるのか。

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