その彼も、薄い青いベイビーブルーの目の彼も 父の最も仲のいいバイク仲間だった。
オンロードでもオフロードのバイクを乗り その後ろにわたしを乗せ 二人乗り禁止のハイウェイさえ走ってしまう。
真冬の漆黒の闇の中、誰も走っていないハイウェイを走ろうと わたしたちは高速の入り口に向かった。
もちろんゲートで止められてしまったけど。 彼は怒って料金所のおじさんを汚い言葉でののしった。
「He pissed me off !!!」
止められてもそれでも高速に乗ろうとエンジンを噴かす彼。 料金所のおじさんがボックスから出てきて体当たりでバイクを止める。
なぜ二人乗りで高速が走れないのかと怒り狂う彼を 抑えもせず放置するわたし。
彼だってアメリカでできることでも日本じゃできないと 解っていたはずなのに・・・・
真冬の深夜にバイクで走ろうなんて そんなことを思うことじたい狂っていたのかもしれない。
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