un capodoglio d'avorio
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2004年09月10日(金) PARTY7

というわけで石井サンつながりで、さかのぼってみる。
永瀬正敏、浅野忠信、岡田義徳、原田芳雄などなど、
イイオトコがたくさん出てる、監督長編第二作。


のっけのアニメーションがとにかくかっこいい。
主人公の七人を紹介していく(かのような)アニメなんだけど、
もう、すげーぶっとんでいてしびれる、パンクなの。
でもね、アニメが終わって本編が始まると、
ギャップがすごい。
このヒトタチ、とにかくかっこわるい。


このギャップというのが、テーマなんだと思うの。
あらゆるカットで、あらゆる展開で、あらゆる位相で、
とにかく石井監督は観客の予想をことごとく外して、
ゆる〜い笑いの波紋を観客席に落としてくる。
そしてその波紋の強さ大きさ波の間隔などは、
実はとても計算しつくされているということ。
そのゾッとするような冷徹な計算を、
観客の見えないところでやってくれるから、
安心してその波紋に乗ってサーフィンやってしまえる。


永瀬サンはヤクザの金を持ち出して逃げるハードボイルド。
かと思いきや、元カノに未練タラタラでだらしないし。
浅野サンはすっきりヒゲを剃って見目麗しいお顔。
なのに「覗き」が趣味のオタクくんでスカート覗いてるし。
原田サンはあいかわらず大人の男で渋い声、いいわあ。
って思ってたら、キャプテンバナナだし w
そして岡田クン、演技派美少年クンは、
気持ち悪いナンチャッテ成金ストーカーだし。


二時間の映画を作ったら、普通外そうと思っても一発くらい、
うっかり的にあたってしまいそうなものを、
石井監督は、たんねんに、まごころをこめて、
きちんと的から外す w
最初は、どんどんオフセットな展開で笑ってた観客も、
最後の最後の「さいご」まで、かっちり外されたことで、
この映画の作り手の、冷静極まりない計算を知る。
そして、強い印象が焼き付いて離れない。


どかはねー、『PARTY7』おもしろかったけど、
やっぱり『茶の味』のが好きだなー。
『茶の味』も外して外して、
予定調和の輪の外へと飛びだしていくんだけど、
なんというか、その飛び出すときのウェーキー(軌跡)を、
きちんと裏打ちして残してくれるような感触。
外しっぱなしじゃなくて、こうやって外したんだよー、って。
そこが優しい。


石井監督のもとからのファンのヒトは、
『茶の味』は人情に流されているって指摘するかもだけど。
そうかも知れない。
たしかに『PARTY7』の破壊的なベクトルは、
『茶の味』には無いかも知れない。
でも、ちゃんとつながってるんだよ、きっと。


例えば。


例えば、キャプテンバナナの黄色と、
あの逆上がりのあとのひまわりの黄色、とか。


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