un capodoglio d'avorio
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2004年09月04日(土) Mew "Frengers"

デンマーク・コペンハーゲン出身の4人組なバンド、去年発売されたデビューアルバム。好き。1曲目のイントロだけでもっていかれてしまったのは、久しぶり。いつ以来だろう。


どかがこれを聴いて近いなーと思ったのはふたつ。ひとつは、My Bloody Valentine。もひとつは、Sigur Ros。でも、Pixiesも入ってるかなー。うん入ってると思う。基本は、でも前者ふたつに近い、フィードバックギターが重ねられて麻薬的な陶酔を引き起こす音の壁を空高くおったてて、それを聴衆に向けて倒してくる系(どんな「系」やねんな)。


けれどもそれだけじゃない。マイブラはひたすらメロディを、エフェクトという名の硫酸に浸してその輪郭を融かしていったけど、ミュウはそこまでいかない。それはきっとマイブラのその後のデッドエンドを知っているからだと思う。マイブラは絶世の名盤"Loveless"を作ってしまったあと、音楽活動をまともに続けられなくなってしまった。そう、メロディを融かしてきってしまったあとには、草木も生えない不毛な大地が広がるのみだから。


そしてミュウは凝ったエフェクトでメロディをギリギリまで追いつめつつ、しかし別の抜け道からそれを疾走させることに成功する。それがピクシーズばりの「不穏なコード進行」だ。単にネガティブなだけじゃない。聴いていて安心できない妙な展開、でも不思議なことにポップなんだこれが。とってもピクシーズだと思う。ピクシーズの良さは静から動へのダイナミズムとよく言われるけれど、それだけじゃない。むしろいま、ピクシーズが面白いのはそのコード進行の不吉さにあると言ってもいいんじゃないかな。それでいてかつ、ポップ。


ミュウはそんな先輩たちの影響をたっぷり受けて、甘くて不吉なメロディで、夢のなかに泳ぐようなCDを作った。でも、そう、夢というのは、いつだって楽しい幸せなものではありえない。むしろそれは、いつも不安や孤独が、悲哀と恐怖が紛れ込んでくる。


 Show you how much I care
 Know that there is no escape
 From my snow brigade
 (M3. Snow Brigade)


詞も、とても不思議で奇妙、かつロマンチックだと思う。もう、日本に来ちゃったんだよねー、なんでもっと早く、これに気付けなかったんだろう、いつもわたし、こんなだ。と、思いつつ、iPodでヘビロ体制に入りつつ。


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