un capodoglio d'avorio
2004年07月21日(水) |
青年団「ヤルタ会談」 |
同じく「東京の団、西へ」ツアーの舞台。「家が遠い」終演後30分で開演@アトリエ劇研 。
どかは、この作品を観るのは二度目(→青年団「ヤルタ会談」)。キャストもそのまんま。詳しいストーリーその他については、前回のレビューで書いたので割愛。
「ヤルタ会談」は、青年団のなかでもかなり特殊な位置を占めていると思う。歴史上に実在した、具体的な人物を扱うということもそうだし(「暗愚小傳」もそうだったけど、あれも例外)、演出プランとしてもかなり演劇的な要素が強いと思える。
それはきっと当たり前のことで、平田オリザさんは「異化」という効果を常に狙っているからだと思う。普通、劇場に芝居を見に来たひとは、なにかしらのドラマツルギーを期待するけど、けれども一般の青年団の舞台は、ずーっと平温のまま事件らしい事件も起きない。「ヤルタ会談」の場合、第二次世界大戦の重要な分岐点であり、かつ、チャーチル・スターリン・ルーズベルトという登場人物のイメージ上、冷淡で事務的にさまざまな「悲劇」が承認されていったのだろうと思うのが普通だ。
だから、オリザさんは冷淡で事務的なイメージをひっくり返す。
まあそんなことなのだけれども、あれかな、青年団を観たことが無いヒトはこれ観たら、脚本と演出の度を超えた緻密さに度肝を抜かれるだろうけれど、どかは今回、わりと距離感を置いて観てしまったかも。うーん。まあ30分弱の芝居だし、五反田団を観てしまったあとでは、この脚本に込められた「メッセージ性」が急に空々しく思えてしまったこともあるかも知れない。
あ、でも観たこと無いヒトにはかなりお薦め。青年団のエッセンスはかなり単純化されたかたちで分かりやすく詰まってるし、何より笑える。ルーズベルトのキャラクターの造形は傑作だと思う。前田サンには作れない芝居だろうな。いや、作りたいとも思わないかも知れないけど 笑。
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