un capodoglio d'avorio
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2004年01月07日(水) 東大阪市立郷土博物館

玉川の「考古学」と「民俗学」のレポートを書くために、
地域の歴史系・民俗系の博物館を見学しなくちゃなどか。
それできょう、東大阪市立郷土博物館へ行った。


大昔、小学生のころに一度、社会見学で行ったっきりだったなー。
そのころの記憶で思い出せるのは2つだけ。
ひとつは、展示が「河内木綿」をテーマにしたものだったこと。
で、その展示内容よりも何よりも、強烈に覚えていたのが、
博物館に至るまでの道のり、すっごい坂道だった気がする・・・。


出かける前に電話をして行き方をたずねる。
近鉄奈良線・瓢箪山駅の南口を出て、稲荷神社の鳥居をくぐって、
境内を抜けて、山に向かってまっすぐ歩く・・・、はいはい。
で、歩いたわけだ、これがやっぱりけっこうな坂道。
そうそう、この登りだー、記憶とちゃんと合致するー。
かなり細い道でクルマがすれ違うのもぜったい難儀する、こんなん。
だって、もう、生駒山の中腹だもん、ここいらってば。
ごっつい不便なところにあって、しかも「郷土史」がメインの博物館。
繁盛するはずがない・・・。
ま、もちろん一般の来館者をターゲットになんて、
はなからしてないのは知ってるけどねん。


着く。
見る。
見る。
読む。
見る・・・。


「考古学」のレポートはばっちり大丈夫そうだけど、
どかがかつて見た「河内木綿」の展示が無い・・・。
「民俗学」のレポートがちょっとキツそうだったので、
職員さん(学芸員では無いと思う)に話を聞く。
したら、ごっつい親切で、過去のそれについての企画展のパンフ、
コピーして、どかにくれたのね。
やー、あれだけ閑古鳥が鳴いてるのに、
この素晴らしいホスピタリティには、グッと感激してしまうどか。
どかがコピーを待つ間、


  あのー、△△小学校のものですが、社会見学の件で相談を・・・


と、事務室に入ってきたのは、多分先生なのだろう2人組。
ああ、こうやって同じように小学生がこれから何度も何度も訪れて、
学芸員さんは一生懸命に説明するのだろうけれど、
でもきっと、展示のことはほとんど頭に残らないで、
そのかわりにここに来るまでのあの強烈な坂道のことは、
「うげー」って嫌気をさしたことと共に、
ずーっと覚えていくんだろうねー。
と思ったら、なんかちょっと、微笑んでしまったどか。
それでいい気がした、まったく問題なく、良い気がした。


職員さんに心からお礼を言って、建物の裏の林にある、
古墳群をチラッと散歩する。
何と、石室のなかまでふつーに歩いて触れる。
誰もいない山の林のなか、木漏れ日が優しく降り注ぐうちに、
石室に積もっている落ち葉の音を聴きながら、
ぽけらーって歩いて歩いて。
乾いたサラッとした光がありがたく思えて、
さあ、ぼちぼち帰りましょうとどかは坂道を下り始めて、
「あ」と思って目を上げる。


夕焼けに美しく染まる大阪平野がダーッと一望。
一瞬、心が空っぽになった。
そして思う、どか。
私は大阪に、帰ってきたんだあ。
実感として、帰ってきたんだなあと、しみじみと。


(そしてまたしても FinePixチャンを置き忘れ、まぬけどか)


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