un capodoglio d'avorio
2003年06月24日(火) |
one tone@STAR PINE'S CAFE |
昨日の6月23日、夜19時40分ごろ、階段を下りていく。 どか、one tone二度目のライヴ(初見は→@MANDA-LA2) @どかのお気に入りのライヴハウス、吉祥寺のすたぱ。 お気に入りぃゆうても久しぶりやなー、二年ぶりくらいかなあ? 最近みょーにライヴハウス行って、ぐでーっと溶けたい衝動が強くて、 ちょっと、困惑気味だったどか、ノリノリでグデーする気満々(謎)。
今回の編成は one toneの2人プラス、高橋ピエールさんというギタリスト。 ツインギターかあ、どんなやろ? っておもてたら、すっごい、ぜいたくやの、響き。 キラキラ、キラキラ、アラスカで見たダイヤモンドダストみたい、 光源がたくさんたくさん目の前で瞬いて、パースペクティブがくらくら。 特に一曲目はびっくしだったなあ。
セットリスト (今回画像はなしです、なんだか撮るのためらわれて・・・ごめんなさい) 1.女性上位時代(アルマンド・トロヴァヨーリ) 2.碧の鼓動 3.明日から吹く風 4.足跡 5.君のところへ 6.うたかた
映画のサントラからのカヴァーらしい、一曲目。 ぼさのばーっとした気持ちよく溶けてしまえるどかの欲していた感じ。 ぐでーって出来るんだけど、でもなんか上等な気持ちになれる、 不思議な空間、キラキラ、ギターが2つ鳴ってて、重なって。 ボサノヴァのバッキングって、すっごい、色っぽいねえ。 なんか二人のつま弾く指先を見てたらポワーッとなる。 にしても、なんて上手いんでしょう、この人たち・・・ 時折目配せして楽しそうにしてるのも、イイ感じ。
5曲目の「君のところへ」はやはりお気に入り。 何て言うのでしょう、こう、私が、とても必要としている曲だなって。 「あったほうがいい」のではなく「なくちゃだめ」感がひしひし。 客観的に良いというより、個人的に大事なナンバーだと強く、思う。 <わたし>は重力という磁場に絡め取られて、いま、ここから動けない。 でもでも、舞い上がる風船やひこうき雲へ祈りをたくしている自分は、 ほんのわずかの一瞬だけ、身体がスゥッと軽くなる気がする。 それは「気のせい」、でもこの「気のせい」が、宝物でいとおしく思う気持ち。 うんうん・・・。 <いま、ここ>という定点でたたずみ続ける説得力が、 他の楽曲では少し薄いのかな?っていう気がして、 でも他の曲ではなくどかがこの曲に強く惹かれる理由はきっと、 祈りから生まれるこの「気のせい」がここにはあるからだと思う。 スゥッと軽くなる、プールに飛び込んで一瞬、浮力にハッとする感じ、 身体が軽くなると、気持ちまで軽くなる、そんな「気のせい」だね。
そしてボーカル。 MANDA-LA2の時と、基本的には同じなのだけれど、 でもより、ある種の姿勢が徹底しているなあと感じた。 なんだろう、ステージに上がるミュージシャンの中には、 自分の世界観、自分の表現、自分の主張、そんなのを、 楽器と音をつかって構築しようとしている人たちがいる。 どかはその構築していく強度が強いアーティストに惹かれる傾向が強くて、 例えばハイロウズやシロップとかは、もう、 圧倒的なそれぞれの世界観を、 ドォンッとステージに載っけちゃうことができる。 そういうタイプの表現なんだとどかは勝手に理解している。 そのステージに突如現れた世界観に、オーディエンスは勝手に圧倒される。 その「勝手さ」具合がまた、快感だしね。
でも one toneは違う。 ステージ上に世界観を構築するのではなく、 聴いてくれているヒトの向こう側に、ソッと何かを置きにくる感じ。 気づいたら、どんどん、自分の内側をライスシャワーのような木漏れ日が、 さらさら触れながら流れている感じ、 視床下部の裏、三半規管の隣、そんなところを通って、気づいたら、 ステージを向いてる自分の後ろっ側に広がっている、切なく涼しい空気。 オーディエンスは前につんのめるんじゃなく、 その後ろっ側へ、少しもたれて、その心地よい空気につかる感じ。 リラックスできるけど、ぐでーってなるけど、 それは怠惰とか甘えではなく。
どかがボーカルに感じた姿勢というのは、 オーディエンスの存在をちゃんと意識して、 それでステージ上で完結するのではなく、 ソッと自分のメッセージを置きにいこうという姿勢。 世界観の構築というところに意識をまわそうとしていないし、 そもそもそんなことしなくてもいいから、力みが無いし、観客に緊張を強いない。
また、2本のギターが本当に力みとか、緊張とか、 そんな言葉とは無縁な場所で、キラキラ、キラキラ、すごい美しい。 ボーカルと同じで、だから演奏技術とかが鼻につくことはないし、 構築ではない別の目的地の方角をちゃんと知っているから、 そんなデリケートなボーカルのベクトルを阻害しないし、 ちゃんとマッチングしていける。
また、行きたいな、定期的に聴きたい感じ。 「選択」ではなく「必要」な感じがする、どかには、はあ、いいな。
風呼(→@渋谷DESEO他)のゴバル嬢も来てて途中から二人で聴く。 そしてゴバル嬢お薦めのこの日トリだった扇谷一穂サンのライヴに、 どかは圧倒されてしまい、なぜかブルーに。 すごいな、なんなんだ、あの声は・・・。 なんかマーチクンとかフィットとかbbが並ぶ信号待ちに、 いきなりヒノレンジャーが、がーんっと飛び込んできたくらいのショック。 はあ、なんなんだ、いったい・・・。
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