un capodoglio d'avorio
2003年04月29日(火) |
RATNA SARI「天守物語」 |
バリ舞踊をベースにしたパフォーマンスグループ?なのかな、 RATNA SARI(ラトナ・サリ)。 芸能研で一緒のこうチャンが客演するって言うので、観に行く。 会場は、中野の劇場MOMO、16時開演。
どかは実は、ガムランが大好きだったりする、結構本気で。 CDも5枚ほど、持っていて、特にお気に入りなのは、 ガムランのうちでも「ゴン・クビャール」というジャンル。 すさまじい圧力を持って押し寄せる音の洪水に溺れるのが、好き、 というか、アラスカと同じくらい、いま行きたいな、生で聴きたいぜ。
というわけだから、実は泉鏡花なんてイロモノに手を出さないで、 バリ舞踊はバリ舞踊で、それだけ独立してやってくれればいーのにー。 なんて、思ってたら、前半は純粋にバリ舞踊だった。 舞踊は初見、ガムランの演奏をバックに、 あのきらびやかなピカピカ衣装のお姉さんたちがグリグリ動く。
とにかく、身体の末端の動きが、えげつない(くらいすごい)。 まず、手の指、オニだあれわ。 中指を動かさず、人差し指と薬指を、縦ではなく、 横に細かく振るわせ続けながら、腕全体を柔らかく動かす。 というか、指がすごいという前知識はあったけど、 はるかに上回るえげつなさ、ヒエー。 末端への執着は、目にも及ぶ、眼球の動きね。 とにかく、からくり人形みたいに、クルクル、動くのー、ヒエー。 普通あんなに鋭く、しかも継続して眼球、動かんって。 指だの、目だの、とにかく末端への執着、それが特徴かなあ。
でもね、目だの指だのでビックリさせるだけ・・・ で、終わっちゃもったいないんじゃないかなあ。 分からない、バリで本物観てないからバリ舞踊そのものへの感想じゃなくて、 あくまできょうのパフォーマンスについてだけど、 もすこし身体の芯への意識を持ったほうがいいんじゃないのかなーって。 素人の世迷い言だけれど。 あと、やっぱテープじゃ、だめだよ、舞踊は、基本的に。 あのガムランのハイパーな音圧、異次元の音空間が無いと、 少し、寒いなーって思っちゃいました、でも、びっくり、割と楽しめた。
そして後半はいよいよこうチャン登場「天守物語」。 実はねー、私は後半のこっちのが面白かった。 ちまたに氾濫する「コラボレーション」ってどかは大ッ嫌いなんだけど、 結構、上手く、はまってたなーこの日の舞台。 鏡花の伝奇世界と、こうチャンの舞踏、モダンダンスとか、フラメンコ、 そしてバリ舞踊と、ほんとうに「ごった煮」だったんだけど、
でもねー、良かったー。 下手に「日本と諸アジア地域との融合」なんて下手なコピーを掲げてたら、 どうしてくれようって思ってたけど、やっぱり泉鏡花というベースが、 どか的にはヒットだったなあ。 だって、泉鏡花って、いわゆる日本じゃないし。 あの伝奇小説は、そういう土着の文化からかけ離れて、 想像の空に浮かぶ箱庭だから、この「ごった煮」が上手く納まった。 だから、いわゆるズシンとくるリアリティは稀薄だけれど、 でも、目の前にグルグル回るカレイドスコープとしてはイイ出来だったと思う。 うん、めまいがする感じ、いいエンターテイメント。
こうチャンはひいき目では無く、一番好演。 獅子頭を掲げてうねるその動きは、 去年の芸能研山形ツアーでの余興を思い出させて。 単に目新しい珍しいスタイルだから、ではなく、 ちゃんとこうチャンの動きに潜む「距離感」に、みんなハッとするんだね。 おつかれー、こうチャン。
見終わって。 やっぱ、バリ、行きたいなーと強く思う。 ガムラン、生で聴きたいー、うー。
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