un capodoglio d'avorio
2003年01月10日(金) |
野島伸司「高校教師('03)」第1話 |
第1話「禁断の愛、再び」
やあっと、待ちに待った第1話!
導入部の、雛(上戸彩)がグラウンドで倒れるシーンのVFXがあまりにチャチくてあせった「おいおい・・・」。ところがこれは、すぐに仮病だったと判明するので、もしかしたら「嘘くさい狂言の演技」を「嘘くさいCG」でメタ的に表すことを狙ったんかいねえ(・・・そんなはずない)。そもそもどかの期待値はハンパなく高いので、へんなところで緊張してしまう。
やっぱり連ドラの第1話は顔見せ的プロットにならざるを得ないのは仕方ないんやけど。学年主任の藤村先生(京本政樹)、やはり楽しい。彼が話すだけで笑ってしまうどか。
君を見ていると、10年前のある男を思い出すよ・・・ (第1話「禁断の愛、再び)
って、あざとく前作とのリンクをつけようとする台詞も、藤村先生が言うのなら仕方ないなって感じ。こんなん、他の役者が言ってたらそっこう冷めるけどなあ。
上戸彩、まずまずの出だし。演技、上滑りしてへんよっ。ソニンの演技は(自粛)。蒼井優、この娘にそんな小悪魔キャラを押しつけても・・・と思った。でも、いきなし水着で郁己(藤木直人)にキス!「おいおい、のじまぁ!(なぜか悪態)」。そして体育教師の村松先生があの、NILON100℃の大倉孝二さん。大倉さんといえば、アクマ(INピンポン)でありカビ人間(INダブリンの鐘つきカビ人間)であり春ひまわりさん(IN人間風車)。やっぱり、舞台俳優がフレームに入ると、ピッと締まる感じ、いいっす。
前作では女生徒の繭(桜井幸子)が抱える重たい秘密に相対する羽村(真田広之)、という構図だったのが、今回は逆に。重たい秘密は郁己が抱えて、それに雛がどう関わっていくのかってのがきっと、ポイント。そしてその「秘密」は第1話ですでに、大きく暗示されたの。その「秘密」を抱えたまま途方に暮れる本心と、鉄面皮の教師づら。振幅の大きな演技を、小手先ではなく真っ向から取り組んでるのが、伝わる、イイ感じ。さすが野島ドラマで主役を張るひとやなあ、見直したー。
第1話のラスト、やっぱり美しい。夜の雨の公園、ドカンの中、違う筒に入って会話をかわす郁己と雛は、あまりにはかなく、デリケートでさわったら壊してしまいそうな関係。お互いが接点を求めつつ、それでも二人は別の世界にいるということをビジュアルで鮮やかに映しとる。しかも、ロマンティックに。やー、やられた・・・。前作では「先生と教師」という対比をフルに活用して導入部を盛り上げたけれど、今作は、その禁断のインパクトに頼ってない、それがきっと、いいこと。
雛 また元の平凡な女の子に戻る、それはいいの 自分がひとつだけ、秘密を持てれば だけど、そのたったひとつの思い出を… 郁己 相手が憶えてないのは…寂しい? 雛 よかった、憶えてくれてたなら (第1話「禁断の愛、再び」)
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