un capodoglio d'avorio
2002年12月14日(土) |
大阪日誌2日目(凍れる音楽) |
けさ、目覚めたら心臓が止まりそうなアクシデント発覚。ま、とにかく冷静になって対処策を考える。で、奈良の西ノ京あたりに出向かなければならなくなり、親子三人除く弟でドライブドライブ、第二阪奈のトンネルに感心しつつも少し滅入って。
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で、メインの用件を済ませて、ホッとして。「そういえば、薬師寺とかって実は、まだ行ったことないんよ」って話したら天気もいいしお参りしましょうとゆう運びになった。ほんっとに天気が良くて風は冷たいけれど、心地よい空気。行きたかっってんほんまに、唐招提寺と。
高校んときは行きがかり上、春日大社、興福寺、東大寺、大神神社、石上神宮、飛鳥寺、石舞台、吉野神宮、円成寺、談山神社、長谷寺、室生寺などなどの奈良の有名どころに何回もお参りすることになったけど、実は薬師寺、唐招提寺、法隆寺のビッグ3とは縁が無かっんね、行きがかり上。だから嬉しかった。国宝薬師三尊!でわ、ざっくりと感想を。
↓上、切れちゃってるけど評判芳しくない西塔、めくるめく色彩が、燦然と光り輝く・・・
↑これが誉れ高い薬師寺の東塔、古今東西絶賛され続けたフォルム・・・
薬師寺、二つの塔で有名、片方新しくて片方古い。まあご多分に漏れず、新しいのんはあんまり評判は良くないんだけど、どか的にはみずみずしくて好きだな、あの極彩色、うぐいす色がきれいだし。で、その塔に限らず、金堂にしても回廊にしても、ちょうど復興がなされたばかりでピカピカ色が光ってる。古びの美ももちろん好きだけれど、古びないとダメ、なんていい方は了見が狭くてどかはヤダ。ええもんはええんやん。それほど広くない境内、美しいプロポーションのダイナミックな塔が並び立つ姿は想像どおり、ため息が出る。フェノロサのが明治に訪れなかったとしても、誰かがきっと、そこにリズムとメロディを見てるわこれわ。
国宝薬師三尊は、本尊よりも左の月光菩薩が面白かった。腰のくびれで微妙に体躯がねじれててごっつい色っぽい。四肢のラインや指先の動きも繊細で、んー艶っぽいっす。本尊ももちろん、端正な印象が気持ちいいんだけど、白鳳時代の彫刻やから、やっぱり頭が少し大きくて、冷静に見るとマンガ的で。まあ、あとに見た唐招提寺の重文弥勒如来に比べると少しマシやけど。ん、これが常識やった時代のことを思うと少し、楽しい。薬師寺は全体的に軽やかなすっきりした風。
唐招提寺、対照的でしっとり、落ち着いててぼけぼけ半日ぐらい過ごしたい風。でも残念なのは、現在「平成の大復興」の真っ最中、あの有名な「金堂」が巨大なプレハブですっぽり覆われていたことな。完成は平成21年やて、はあ。国宝鑑真和上像はもとより見られへんし。と思ってガッカリしてたけど、意外と、というか本当に素敵な時間を過ごす事ができた。境内がけっこう実は広くて、金堂の裏に広がる敷地のそれぞれがとてもいい雰囲気だったのだ、人もほとんどおらんし。
↑鑑真和上のお墓、周囲を包む清浄な空気
とくに鑑真の御廟があるあたりの静寂と清浄は、なんか最近のどかの人生の怒涛をはるか遠景に追いやってしまうくらい、情感豊な場所やった。土壁も、苔むす林も、澄んだ池も、なんやかや全部が。鑑真和上像も、例の国宝千手観音像も、白鳳時代最高の平衡を達成したあの金堂すら見られへんくても、満ち足りた心持でマーチ君に戻ることのできたどか。
んん、なんだかそんな感じ。
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