un capodoglio d'avorio
2002年10月29日(火) |
Rd.15 AUSTRALIA/Phillip Is. |
実は山形行きの前日、あまねとぶうと、 やいのやいの言いながらVTRで観たレース。 フィリップアイランドは世界最良の二輪レースコース。 起伏の多い美しい丘陵地で海を望める風光明媚な環境、 ときおりレースシーンを海鳥が遮ったり、 激しいバトルの向こうに綺麗な瑪瑙色の海が見えたり。 そしてコースレイアウトは中速、高速コーナーが中心に組み合わされた、 左回りの高速サーキット、いいなあ、全てが。
バロスとロッシのマッチレースになる、というより、 やはりロッシの独壇場なレースだった、んー。 一見バロスとロッシのドッグファイトに見えるのだが、 バロスのテールに張り付いたロッシは余裕たっぷりで、 いつでもどこでも抜ける構え、でも抜かない、一番簡単に、 ロス無く、リスクも犯さないで済む頭脳的な抜き方を探る。 前を向いてアクセルを全開にするしかできない孤独なブラジリアンは、 背中越しにそのイヤな余裕を感じつつ、でも、一度チャンプを前に出すと、 着いていけないのが分かっているから絶望にまみれながらギリギリのブレーキング。 こんなシーンはGPで時折観られるけれど、前を走るライダーの心理を考えると、 胃が痛くなる気持ち、キングコブラに睨まれたケロヨン?
その出口無しなバトルが動き出すきっかけは、周回遅れのマッコイ。 リアタイヤを交換して周回遅れとなったマッコイは「見かけ上の」三位として、 このバトルに参戦する、そこからレースが動く。 オージーライダーのマッコイには、このコースは地元、 全ての細かい機微を知り尽くした上で持ち前の派手なドリフト走行で、 二位のチャンプをつついていく。 ロッシにとってみれば、周回遅れとはいえプレイヤーがひとり増えることは、 潜在的リスクが三倍以上になるということ、このオージーの登場が、 バロスの延命措置に終止符を自動的に打つ :ロッシが中速コーナーのツッコミであっさり前に出て、その後スパート。 バロスも最後のシフトアップを試み、ギリギリまでラップをあげて追走。 マッコイは何故か楽しそうにドリフトしつつ楽にバロスについて行く・・・
決着は微妙かと思われたが予想を覆して明らかに激しく着いた。 最終ラップ、インをがちがちに固めたロッシの進入コースの、 さらにインを突いたバロスが、クリッピングにも着けずコースをクロスしてオーバーラン。 結構笑ける映像だった、あまねもぶうも同時に突っ込む「おーい」。 やー何が何でも抜きたかったんだろうな、スカしたイタリアンを。 その後先考えない突っ走り方がとても、かあいい、バロスくん。 明らかにいまのGPの中心選手になりつつあるなあ。
今回もロッシの横綱相撲と、バロスの突貫坊やが堪能できる、良いレースだった。
Moto-GP Rd.15 AUSTRALIA/Phillip Island 1位:ヴァレンティーノ・ロッシ HONDA 2位:アレックス・バロス HONDA 3位:宇川徹 HONDA
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