un capodoglio d'avorio
早めに会社あがって、三鷹に戻ってきてメイロウと、 その奥さんであるところのユカちゃんと食事、ユカちゃん久しぶりー。 二人とも同じくらいの驚異の推進力を持っている、 ちょっとかっこいい、魅力的なカップル。
以前の知り合いと会うのは楽しいものだけれど、 時々胸が苦しくなったりするものだ。 どうしても昔話が盛り上がってしまうし、 昔の知り合いが今どうしてるかという話以外に、 先にはなかなか対話が進まないからだ。 かえって、あかの他人、よりも。
今夜は、違った、そうはならなかった。 過去の話と、現在の話、そして未来の話がどんどん展開して、 安易なセンチメントに堕ちていかないから。
でも、きょうは、何度か弱音が口の端をノックする。 コンコン。 コンコン。 視線が下がってくる、カラヤンが辛い。
それでもいまは、いまはどかは前に向いて歩かなくちゃ。 止まっちゃダメだ、歩かなくちゃ。 朝には、卑小さが沁み渡っている自分をふとんの中に発見して、 夜には、骨の髄より滴り落ちる疲労をこぼさないよう電車に揺られ、 それでもなお、均質の時間に浸されて損なわれていくものを、 慎重に選び取って守んなくちゃ、 ふっと新しい風が吹く、異質の時間にまで、運ばなきゃ。
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