雨の匂いがアナタを思い出させた。 眠りに付けなくて外で降り続ける雨の音を聞きながら。 ”おやすみ”の代わりにも子守唄代わりにも出来そうにない強く地面を叩く雨粒達の一つ一つが私の想いを壊していく。
瞳を閉じて見えるのはアナタで、 雨の匂いがアナタを甦らせて 大きな胸の中で小さくうずくまっていた私は、 とても幸せだった。 とても、とても。 眠るまで私を見つめてくれて、 少し遅い朝を2人で迎えて、 ”おはよう”のKissをして…。 今となっては遠い昔のオトギバナシの様。
見失ったのは雨が止んだから? そうだったならずっと傘をさしておきたかった…例え雨が止んでも。 2人で1つの傘に入っていつまでも歩いて行けたのに。
悲しみは雨の中へ、枕が水溜りになって 雨の向こうに虹が架かる事を信じて。
”おやすみ” 雨が言ってくれた。
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