老人に聞いてみた。 「あなたの歩いてきた道は?」
老人は言った。 「実に平坦だったよ。人生山あり谷ありと言うが、全てを統合すれば平らになる」
老人に聞いた。 「あなたは満足したか?」
老人は言った。 「満足と言う言葉は嫌いでね、強いて言うならば楽しかったよ。 人生とはミステリー、霧の中でサマヨイ歩く。その先に見えるものは人それぞれ違うが、見たものが明るくあれば良かったと言える人生なんじゃないか?君はどんな人生を送りたい?」
僕は言った。 「あなたの様に、良かったと言える人生を送りたい」
老人は言った。 「平らな人生でもいいのか?」
僕は答えた。 「では、あなたの逆の人生を歩む」
老人は言った。 「じゃあ、楽しくないかもしれないな」
僕は困った。 「では、どうすれば…?」
老人はゆっくりと話した。 「君の人生は君自身で描くものだ。誰かの真似をして生きようと思うことは正しくない。君の人生のレシピは君自身が感じ、学び、描いていくものだ。最高の人生など言葉ばかりだが、君のレシピの中身がそれを創っていく。どのように描くかは君次第。様々な困難も、過ちもあるだろう、失敗から多くを学んでいけば良い。」
僕は言った。 「あなたに僕自身最高の人生の行く末を見てもらいたい」
老人は言った。 「わしも一生懸命生きるよ、もうレシピを書く必要はないがね」
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