雨に打たれている葉を見ていた。 窓から見る雨の粒は容赦無く、葉を打ちつけた。 ―いつかは晴れてくれるだろうか?―
地面をゆっくり濡らして、コンクリートの色を変える。 雨粒が葉にあたる音が強くなって、傘を差している人に意地悪をする。 ―それでも太陽は昇ってくれるだろうか?―
車が水溜りの上を走って水飛沫をあげた。ワイパーの動きが少し早くなった。 運転手は前が見えずらそうに、少し腰をあげた。水の中をかき分けるように、まるで平泳ぎをやって見せるかのように、ワイパーは雨の中を泳いだ。 ―いつになったらゴールにつくのだろうか?―
濃くなったコンクリートの上を皆急ぐように歩いていく。 ズボンの裾が濡れない様に、肩に雨粒が乗っからない様に。傘は様々な色をして、歩いていく人たちの流れに沿って踊っている。晴れを祈るようにして。 ―想いを浮かべて、そっと水溜りに落とそうか?―
願いを雨によせて、流してみた。 いつかは叶うだろうか?虹の麓に行ける夢は。 いつかは、いつかは。
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