月日が過ぎてしまった。しまったという言い方はおかしい。 言うならば、気付けば年を取って、周りの環境にもすっかり慣れてしまったと言った所だろうか。 広島から今の場所へ移り住んでから10年が経とうとしている。すっかりこっちの人間になってしまった。都会を知ってしまった以上、もう戻ることはないだろうし広島に帰ったときに思った 「この場所は僕にとっての基盤で僕を作ってくれた場所、でも僕が生きて行く場所ではない」 が、はっきりと月日を感じさせてくれる。 と、考えたのも見てくれたら分かるようにBBSに書きこみしてくれた旧友が、まだ僕のことを覚えててくれていて、このページの存在を知って書いてくれた。とはいえ10年ぶり。旧友の彼女も書きこむには相当なためらいがあっただろうし、勇気もいただろう。それでも「元気?」と聞いてくれた事に僕は素直に嬉しかった。
久しぶりに小学校の卒業アルバムを見た。幼い顔をした自分に笑ってしまった。でもそれを見ている年のとった自分にも笑えてしまった。ただただ、懐かしいという想いだ。幸せだった思う。辛いなんてひとつもなかった。 自分の小学生時代はとても好きだ。とてつもなく大きな夢を見れた。本当に叶うと信じて疑わなかったし、その努力も惜しみなくしていた。夢は叶うものだと、努力は報われるものだと。可能性に満ちた日々を送っていた。 だからと言って今現在を悲観するでもなく、卑下する訳でもなく、ただ懐かしんでいる、良き思い出として。 思い出なんかはすぐ忘れてしまうけど、楽しかった事はいつまでも心のどこかに潜んでいて、ふと思い出したときに「よかった」って言えるような、暖かいモノだ。僕の少年時代は恵まれてたなって。
昔の仲間に会いたくなった。 遠い街から、 「みんな、元気にしてる?」 声をあげてみた。
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