優しく夜は流れていく。 柔らかな月はこっちを見ている。 寝息を立てて静かに眠っている。
クーラーの音が部屋に響いて、静かに眠る寝息がリズムよく耳元で「スッースー」と。静かに眠っている顔を眺めている。鼻をつまむと気付いて目を開ける。 「止めて!」 また夢の中へ戻ろうとする。けれども戻らせない。また、鼻をつまむ。 すると、思い切り腕に噛みつく。当然の様に・・・ 悲鳴をあげる。お返しに鼻にキスをすると、嬉しそうに笑顔を見せた。向き合って今度は唇を奪う。ゆっくりと夜に溶けていく。二人は生まれたままの格好で抱き合う。お互いを探り合うかのように抱き合う。
月に一番近い場所で、神を越えようとする。 体は正直に求め合う。甘い果実を頬張る、禁断の果実を。 優しく触れ合う。激しく抱き合う。柔らかな夜に溶けていく。 月が羨ましそうにこっちを見ている。 離れない。 離さない。
二人が神をも越える瞬間、いつも永遠を祈る。 ここはいつも無罪だ。 軋む音は何を奏でるだろう? 朝を迎える少し前にお決まりのおやすみのキスを交わす。
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