march forward.
りりかの独り言。

2005年08月23日(火) 写真

翌日退院したRからのメールは、一日に20通は超えた。

と言うのも、彼女はDoCoMoのFOMAじゃないから、1回あたりに500文字しか送れないのも理由なんだけど。

長文は何通にも分かれてくるというのも、数が増えた理由の一つ。




私は、仕事のせいにして、毎回は返さなかった。

4通に1回くらいの割合で返すくらいで。




退院してから数日後の土曜の夜。

Iショットが送られてきた。



太ももを数回切ってある写真だった。



呆然としていると、彼女から電話があり。

「りりかさん、私が怖いんでしょ」

と言われた。

私は、黙り込んでしまい。

彼女は。

「りりかさんも、こんな写真見せられて、苦しい?」

と、私に聞いてきた。

しばらくの沈黙の後。

「どうして、自分を傷つけるの?」

ようやく私が返事をすると。

「最初は、死にたかった。今は生きて行くためにするの。よかった、今も生きてるって、実感するから」



白い彼女の太ももに、何本も傷があり。

そこから血が流れている写真は、生々しくて。



とても、怖かった。




「私に何か出来ることがあれば・・・」

「そう言うと思った。でも、出来ることなんか一つしかないの。私がこうやって生きているって事を、りりかさんだけは知っていて」

「どうして、私なの?」

「私にも分からない」




この後も、何通か傷の写真が送られてきた。

そして、彼女は、入院した。


私の携帯には、彼女の写真が残った。

でも、新しいメールたちに、消されていく。


記憶からは、きっと消えないけど。


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