実家で子供たちとだらだらしていた夜。
ハルから電話が来た。
「もうすぐりりかのところ」
何にも聞いていなかった私は、びっくり。
「どうしたのよ?」
「○○さん(元バイト)たちと飲むんだよ」
「あー。そう言えば、そんな電話があったわ。保留にしてあったけど」
「りりかは来ないの?彼氏?」
「彼氏は今日から社員旅行よ」
「ならおいでよー」
「今実家だしなぁ。喉もちょっと痛いんだよね」
「待ってるから」
久しぶりに集まったメンツ。
3年ぶりって言う人もいたりして。
みんな、私たちが別れたって事は知らなくて。
だからハルが「俺が振っちゃったの」と言った時、すごく驚かれた。
「この二人は安泰だと思ってたけどなぁ」
とかなんとか。
栄から電話が途中来て。
「元バイトたちって、ハル君もいるの?」
って聞かれて、嘘つくのもどうかな、と思い。
「いるよ」
と言った後、少し沈黙してから。
「飲み過ぎちゃだめだよ」
と言われた。
喉が痛いから、今日は飲んでないんだけど。
今日は、元バイトの子の家に泊まるハル。
私を家まで送るって言ってくれて、二人で歩く帰り道。
「さっきの電話、彼氏?」
って聞かれて。
「そうだよ」
って言ったら。
「何か、嫉妬しちゃうよな。する立場じゃないんだけど(笑)」
って言われた。
私も笑っていたら。
「この間は本当にありがとね。あんなに泣いたりして、みっともないけど」
「仕方ないよ。凹んだりする事は、誰にだってあるんだもん」
「でも、りりかの力はすごいなぁって思う。朝はすっきりしてたもん」
「お役に立てて、良かったです」
もうすぐ家の前って言うとき。
ハルが。
「お願いしていい?」
って言ってきた。
「何?」
「大丈夫だよ、って。よしよししてくれない?」
少しびっくりしたし。
冗談かと思ったけど。
真顔でそんなこと言うんだから、きっとまだまだ凹んでいるんだろうなぁと思った。
「いっぱい、頑張ったね。お疲れ様。ハルは、大丈夫だよ」
私より15センチ以上背の高いハルの頭を撫でるのは、何かおかしな感じがした。
ハルは真顔で私のことをずっと見ていて。
だんだん恥ずかしくなって来て。
「こんなもんで良いかしら?(笑)」
とか笑ってごまかした。
家について栄とメールを少しして。
ハルからもメールが来て。
「ありがと。りりかはやっぱり、俺の最愛の人です」
ありがと。
私の中でも、あなたは特別な人だよ。
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