march forward.
りりかの独り言。

2005年07月07日(木) 6月後半・2

栄との、最終勤務の日。

お酒を飲むの大好きな栄に、みんなでお酒をプレゼントした。



夜、一人で事務仕事をしていたら。

荷物の整理が終わった栄があいさつに来て。

「これからは、先輩と後輩じゃないからね」

と言い、手を差し出してきた。

私が躊躇していたら。

「この間みたいなことは、しませんよ(笑)」

なんて、見透かされてる。





たまには、一緒に歩いて帰るか。

なんて話になった、蒸し暑い夜。

車を置いていくと、翌日困るんだよね、なんて言いながら。




部長に任された嫌な仕事のとき。

栄と一緒にがんばれって言われて。

二人で組まされたんだった。

私は消極的で。

逃げ出したいくらいに、重たい仕事で。

それでも、栄は私の分まで一生懸命になってくれて。

良かったのか、悪かったのか。

部長に褒められる結果を出せて。


マフラーのこともそう。

誕生日の花束のこともそう。


たった半年余りなのに。

色々なことがあったねぇって、言いながら、徒歩25分の距離を歩いた。



途中。

「手を繋いでもいい?」

って聞かれて。

「うーん、まずいでしょ」

って言う私にお構いなしに、手を握ってきて、すぐ離して。

「ごめん、汗ばんでる。変に緊張しちゃって・・・って三十路カップルなのに(笑)」

「中学生の恋愛みたいね」

「それでいいんだよ。そういう人だから、大事にしたいなぁって思えるんだから」

「そういう人?」

「手を出し辛い人ってこと」




栄と一緒にいると、楽だ。

バツ一同士って言うこともあるし。

年齢が近いこともある。




「負い目がなくて、楽な人と付き合うのが、一番なんだよ。負い目なんかあったら、何にもうまくいかない。りりかが気にしないって思わない限り」

お友達のなーちゃんが言ってた言葉。



私は、今回の喧嘩がなくても、負い目がある限り。

ハルとはうまく行かなかったのだろうか。

あの、暖かい手を、離してしまったことを。

後悔するときが、やってくるんだろうか。


今はまだ、分からないまま。

もしかしたら、一生分からないままなのかも、しれない。


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