「私から言い出しておいて、何だけど。やっぱり無理だわ」
久しぶりの電話は、相変わらず酔っ払いのハルで。
大事じゃない彼女にも、たまには電話位しなきゃね。
とか平気でいい。
私は、がっくりしてしまった。
そして、冒頭の言葉。
なんだよそれ。
とか、結構色々言われて。
「でも、それでいいよ。俺もここ最近何か苦しかった」
ハルは。
変なところ不器用で。
大事じゃないとかしないとか、本気でそう思っていたわけじゃなくて。
そういう事をいえば、私が「じゃぁ結婚しよう」と言うと思ってたと言った。
だけど、私は言わなくて。
どんどん酷いことを言っている自分に気付いていた、とも言った。
「でも、もういいよね。りりかは、やっぱり俺との結婚は嫌だったって事が分かったから」
「俺との、じゃないよ。私は、今は誰ともしたくないんだもの。このまま何年かしたら分からないけど、今は出来ないんだもん」
「そうか。俺は、一緒にいたかっただけ。いつも一緒にいたかっただけなんだよ。りりかと付き合っていると、いつも不安だったから」
「何が?」
「俺はいつも、この人は俺のことを愛しているのかな?と思ってたよ。俺の考えでは、愛している人と一緒になるのは、当たり前のことだったから。」
大事に出来ていなかったのは、私なんだよね。
ハルの中で、大事するって事は。
結婚するって事で。
私がしないと言うと、大事にされてないって感じてたんだ。
「りりか。例の人と、別れてないんでしょ?次こそ、大事にしなきゃだめだよ。相手が望んでいることを、ちゃんと受け止めてあげなきゃ、だめだよ。与えられるだけの恋愛なんて、存在しないんだから」
ハルは。
いざとなったら、いつだって助けに行くし。
誰にも話せない悩み事とか抱えちゃったら、いつだって聞いてやる。
だから、安心して進んで行っていいよ。
何かあったら「あ、あいつに話せばいいか」くらいに思っててくれれば。
とか、久しぶりに。
本当に、ここ最近では久しぶりに。
ものすごく優しい言葉を言ってくれた。
いつだって。
背中を押してくれてるのは、あなただったね。
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