march forward.
りりかの独り言。

2005年07月03日(日) 6月半ば・2

いつもの日課の電話。

栄の事を何も聞かれないし。

私からも言い出せないし。

そんな変な、感じで。



酔っ払ったハルは。

「りりかの事を前みたいに、大事に思えなかったりする」

と言った。

「何で?」

「いつも一緒にいれば、そう思えるんだろうけど」

「いつも?」

「そうだよ。結婚すればだよ」

「どうして?」

「結婚を考えている彼女と、単なる彼女じゃ、重みが違うんだよ」



ハルが言いたいことは、分かった。

結局は、同じことだ。

結婚しようって私が言えばいい。

結婚して、一緒に暮らして、仕事も辞めて、毎日家にいて。




言いたい事は分かったけど、触れなかった。

黙ったままだった。

ハルは。

「日課の電話も、あんまり必要ないと思う。そこまで大事にする必要ないと思う」

と、言った。





あんな、大きな喧嘩して、別れるとか別れないとか。

そういう話ばっかりして、元に戻ったんだもの。

違和感があるのは、仕方ない。

そう思おうと思った。

でも、思えなかった。

ハルじゃなきゃ嫌だと思っていた私は、日に日に、どんどん遠くに行ってしまった。




週末が来て。

「休みだったら、どうします?」

とメールしたら。

「たまには、休みだったら家で漫画でも読むかな」

と返ってきた。

結局仕事だったんだけど。

少しずつ、少しずつ。

私はハルとの距離を感じてた。

前なら休みだったらどうする?なんて聞く前に、ハルから「会いに行くね」と言っていたはずだ。

おはようのメールと。

ただいまのメールと。

お休みのメール。

この3往復だけの日が続いている頃だった。



「この人は私のこと、本当に好きなの?」

ハルと付き合っていて、初めて、思った。


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