栄と一緒の勤務で。
話があるって言ってあったし。
何の事かも、勘付いているだろうし。
それでも栄は、今日も元気だ。
いつも通り、元気に「おはようございます」って言う。
上がった後二人でファミレスに行き。
何から言おうと、考えていると。
「話って、ハルくんでしょ」
って先に切り出され。
切り出すのは私だと思っていたから、かなり動揺してしまう。
栄は、私がいつもハルのことを考えてるって事を知っていたし。
大好きなんだろうなぁと感じてたといった。
だけど。
だからって。
もう会ったりしないとか、そういう事を言わないで欲しい、といった。
後何回かの同勤だけで。
本当に会う機会も減るんだから、と。
職場では。
みんなに好かれていて。
いつもお兄さんで。
面倒見が良くて。
頼れて、気が強くて、優しくて。
弱音なんか吐かないし。
そんな栄が、ものすごい弱気に言うものだから。
へたれな私は、それ以上何も言えなくなった。
この日、ファミレスの駐車場で。
「明日もまた、よろしくね」
って言われて、手を出されて。
握手を求められてると普通に思い、それに応じ。
そのまま引き寄せられて、抱きしめられた。
すごい強い力で。
息苦しかった。
「いなくならないでください」
耳元で言われて。
なぜだか、泣きそうになった。
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