march forward.
りりかの独り言。

2005年05月14日(土) 永遠。

ハルに返さなきゃいけないお金とか。

うちに置いてあった洋服とか。

そういうの用意して。

「もう出たよ」って言うメールをして来たハルが来るのを待つ。




電話が来て。

「下についたから、降りてきて。出掛けよう」

って言われる。

なぜ?どこへ?と思いながら、慌てて出掛ける。




ハルの車に乗るのは、これで何度目かな。

これが最後かな。

そんなこと、考える。


「どこ行くの?」

「りりかの好きなところ」

「どこ?」

「そのうち分かるよ」



走っている途中で、ハルが連れて行こうとしている場所が分かった。

よく一緒に行った夜景が綺麗な、坂の上の公園。

「どうして?」

「ここで少し話そう」

なんて言って、車を停めているうちに、雨が降り出した。

車を停めた場所から少し歩かなきゃならないし。

公園の中は、雨宿りする場所はない。

「あーあ・・・」

ハルはため息をつく。



結局少し待ってみたけど、雨は止まず。

「ご飯行こうか」

って言うハルの言葉で、再び車は走り出す。



いつもみたいにまず。

「何食いたい?」

とか、聞いてくれる。

「なんでもー」

って言う私の返事も、いつも通り。

「じゃぁ。りりかの好きなパスタで」

とかハルが言うのも。



何してても、いつも通りで。

何も変わらないから、困惑した。

私たちって、今どうなってるんだっけ?なんて。



ご飯を食べて。

うちに一緒に帰ってきた。

ワインをハルが買ってきたから、それを飲みながら話すことに。



色々と話した。


今まで色々とありがとね。

とか。

ちゃんと、ハルの思ったとおりに出来なくてごめんね。

とか。


ハルは。

「謝るのは、俺です」

とか言う。

そして。

「すげー。後悔してる」

とも。




酔って、カチンと来て。

そして「別れよう」と言ってしまった事。

自分のところに呼ぶ事を焦ってしまっていた事。

だから、ごめんなさい。

撤回して欲しい。



今、そう言われても。

私は、もうハルの元には戻れないって思った。

気持ちが、ハルのそばにもうないから。

違う。

あるのかもしれない。

きっと、ある。

でも、栄の事を好きになろうとした。

だから。




「ごめんなさい」




ずっと一緒にいると思ってたなぁ。

ハルとは、なんだかんだで、ずっと死ぬまで一緒だって思ってた。

別れを口に出したのは、ハルだったけど。

気持ちを切り離そうとしたのは、私だった。



ずっと、好きだよ。

ハルが言ってくれたように、私の中でも、あなたは永遠に特別だよ。


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