march forward.
りりかの独り言。

2004年05月30日(日) 焦り

朝起きた時、あいつはテレビを見ていて。

「おはよう、大丈夫?もう痛くない?」

と、私の顔を覗き込んで来た。

すっかり、痛みがなくなった。と言えば嘘になるけど。

もう、唸るほど痛くはない。

「うん、大丈夫」

無理矢理、元気な声で返す。




妹から電話が来て。

一緒に昼ご飯を食べることに。


あいつと三人で、妹のご主人がやっている店に食事へ行った。

「食べた後、行くんでしょ?」

妹が聞いて来て。

「今日じゃなくても、いいかもしれない」

と、私が答えた。

「でも、やっぱり早く会っておかなきゃだめだよ」

あいつは言う。



食べた後、あいつの運転する車に乗り込んで、実家へ向かう。

途中、妹が、母にメールをしてくれて。

「今から、りりかちゃんたちと行きます」

でも、母からの返事は、妹じゃなく、私に返って来た。


「会わない、とは言わないけど。あんたたちの様子をしばらく見せてください(子供たちを含めて)それから会ってもいいと思います。だから、今日は無理だとHくんにも伝えてください。今会っても何もコメントも出来ません。」


母からのメールを、二人に見せた。



あいつは。

「俺、ちょっと焦り過ぎちゃったかな(笑)そうだよね、お母さんの言う通り、もう少ししてからだって、いいよね(笑)」

なんて、笑って言ってたけど。

今日のために、美容院に行ったり、服も軽く見えないもの!(物凄く、見た目だけは、軽く遊び人に見えちゃう人なので)とか着て来たりしていたあいつに。

ものすごく、申し訳ないと思った。


妹が気を利かせて。

「この間(GW)行った、下町めぐりのビデオがあるの。それ見に、うちに行こうよ」

なんて言ってくれて。

二人でお邪魔する事にした。


あいつは、普段よりよく笑って。

ビデオを見ては「ライラ大きくなったなぁ」とか言い。

妹と二人で、はしゃいでた。


ねぇ。H、無理してるよ。

何度、そう言いそうになったか、分からない。




妹の家からの帰り道。

少しドライブしながら、家まで送ってもらった。

ドライブ中に。

「俺、焦ってたのかもね。りりかが子供を引き取る事になって、上のお姉ちゃんたちに会う前に、りりかのお母さんに挨拶しなきゃって、まずそこをしなきゃって、思ったかも。でも、りりかのお母さんの言っている事は、筋が通っているよ。ちゃんとやっているところを見てもらってから、会う事だって遅くはないんだからね」

私は、何度か「ごめんね」と言った。

「りりかが謝るところじゃないし」

あいつは、笑って頭を撫でて来て。

「頑張るぞー」

とか、気合を入れなおしていた。



私も、焦っていたかもしれない。

何を?って聞かれたら、分からないんだけど。

なんだか、最近焦ってた。

色々な事に。



別にね。

あいつが急いで、私たちの生活の中に入ってこなきゃいけないわけじゃなく。

私だって、親に認めてもらわなきゃいけないと言うのが、全てではない。




まず、出来る事から、始めてみよう。


あいつは、そんな事を帰り際に、言っていた。

私たちが、まず出来る事は。

子供たちが笑って暮らせる環境を、少しでも作る事。


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