march forward.
りりかの独り言。

2004年04月11日(日) 性格

昨日の続きです。




寝不足のまま仕事をしてた。

だるいし、眠いし、とにかく、体が重かった。

何より、自分から別れるといったのに、凄く精神的に凹んでいた。

あいつからは、当たり前だけど、毎朝の日課のメールも来なくて。

昼休みのメールだって、来なかった。

携帯の不在お知らせランプがついてないか、遠目に確認したりして。

何やってるんだろう、と。

ホント、バカみたいだった。



夕方近く。

休憩中に、あいつからの着信音。

もう、メールも電話も来ないとばかり思っていたから。

すごく、びっくりして。

恐る恐る電話に出た。


「もしもし・・・?」

「後少ししたら家を出るから」

「え?」

「行くから」

「行くって、ここに?」

「他にどこがあるんだよ。じゃ」


あいつの電話の声は、ものすごく暗かった。

その暗い声が、余計にドキドキさせた。



自分から、別れるとか言っておきながら。

メール1通で本当に終わってしまうのかなぁなんて考えたり。

ちゃんと会って話したかったなぁと思っていたり。

でも、会ったら結局喧嘩して、昨日よりもっともっと大きな喧嘩になって、嫌な気分で別れるのなら。

メール1通で終わった方がいいのかもしれない、なんて。

勝手な事ばかり考えては、ドキドキして。




あいつは、私の勤務がまだ3時間残っているのに、やってきた。

「私まだ終わらないよ?」

「いいよ、待つから」

やっぱり、声は低いまま。

私を見ても、真顔だし。

話し合うのが、怖くなった。



私の中では、別れるって言う事は、確定していて。

ただ、私が「別れるときにはちゃんと会って別れようね」なんて言ってたものだから。

あいつがそれを守ってきているんだと。

私も、もう戻ることは無理だと、そう思っていた。



仕事が終わって、あいつの車の所に行くと。

「いいから乗って」

と、あいつが言った。

「どこへ行くの?話すのなら、ここでもいい」

と、私が言い。

「早く!」

って、大きな声を出されて、少し怖くなって。

結局車に乗り込んだ。



車の中で、ずっと無言で。

話さなきゃ、と思えば思うほど、何を言っていいのか分からなくて。

やっぱり、私は黙ったままだった。


どうしてこんなにすれ違ってしまったんだろうとか。

私はこの人が大好きなのに、何で疲れてしまったんだろうとか。

考え出したら、泣きそうになった。

でも、泣かないで、ちゃんとさよならをしようと思った。

二人とも、潰れちゃうからって。


私が、あいつの言う通りに、あいつのして欲しいように、する事は可能だし。

あいつが、こう言うのが私なんだって受け入れてくれることだって、可能だ。


でも、どっちにしたって、妥協だと思った。

どっちにしたって、どっちかが無理することになる。



外の景色を見ながら、そんな事をぐるぐる考えて。

あいつは黙って運転をしていて。

一体どこに向かっているのか、きっとあいつにも分かっていないんじゃないかと思った。


走り出して30分くらい経ったころかな。

運転しながら、あいつが袋を私の膝に投げてきた。

「何?」って聞いたら。

「切れたって言ってたろ?仕事の」って返事。

開けてみたら、ボールペンだった。

今まで仕事で使っていたものは、あいつと前に一緒に出かけたときに、あいつが「お土産だよ」って買ってくれたボールペンで。

それが、この間インクが切れたから。

だから、買ってきてくれたらしい。



別れようってメールをした私に。

ボールペンのインクが切れた事を覚えててくれて、わざわざ買ってきてくれる。

そう言うのが、この人のすごい所で。

そう言う所が、私はきっと、大好きだったんだと思う。

何気ない、小さい事を、ちゃんと覚えていてくれる所。



ありがとう、も言わないまま。

時間が過ぎて行った。



結局、コンビニの駐車場に停めて。

お茶を買ってきた。

そして、あいつが。


「昔、りりかが。言葉でしか伝わらないこともあるって言ってたの、覚えてる?気持ちは見えないんだから、せめて言葉で伝えなきゃ行けない時があるって」

「うん、覚えてるよ」

「でも、りりかは、言葉で伝えてくれない。気持ちだって、最近は何だか隠しているように見える。だから、不安になるんだ。俺の事を好きなんだろうって分かっているけど、不安になる。その好きな気持ちは、少しなんじゃないか、少しずつ減っているんじゃないかって」

「私があなたを好きだって事、分かってもらえないのが、一番悲しい。だからと言って、私の性格を変えてまで、あなたに合わせていくのもおかしいと思った。だから、もうだめだと思った」

「そんな簡単に、だめだと思っていいの?何もかも合わせて欲しいなんて言ってない。でも、少しでも言葉で出してくれたっていいんじゃないかって思ってるだけ」



その「少しでいいから」の「少し」が、私たちの中で大きく違っているんじゃない?

私も、出しているつもりだったし。

それが全く伝わってなかったんだよ。

だから、悲しかったし。

もう、無理なんだと思ったんだよ。



私の性格は、外見と違ってかなり男っぽいと言われる。

さばさばし過ぎだと言われる。

面倒くさがりだし、べったり一緒って言うのも、結構苦手。

記念日だって、覚えられないし、重要視できない。

強がってばかりだし、大きな声で男のバイトの子を怒鳴ったりもする。


でも、そう言うのが私で。

そう言う私だから、今の自分の立場があるんだと思ってる。

その辺を、変えるのは無理だし。

だいたい、変えたくないと思っている。



今日、昼間はMさんと一緒に働いた。

その時に、少し相談した。

Mさんは。

「私も言葉で言って欲しい性格なの。旦那がりりかみたいな感じでさ。言わないでも分かるだろう、そんな事はいちいち言わないものだろうって言う人だから。本当に不安になった時期もあったよ。だから、Hの気持ちの方が、私には分かるかなぁ」

なら、わざわざ「好き好き」って言葉に出して言うの?

あなたが大事なの、あなたがいなきゃ嫌なの!って、わざわざ言うの?

そんなの、出来ないよ。

「毎回じゃなくてもいいんだけど。例えば会いに来てくれた時とかに、あなたが来てくれたから凄く嬉しい、とか、あなたに会えて明日からまた頑張れるよ、とか言葉に出す位は、したっていいじゃない?」

・・・メールではそう言うようなこと、言ってるけど?

「だからー。メールとかじゃなくて、直接言って欲しい時だって、あるんだってば」

・・・。

「でも、そう言うのが、りりかなのかもしれないし。Hにべったりになったら、それは何だかりりかじゃなくなるみたいで嫌だしなぁ。・・・難しいね」





私はもう一度言った。

「性格を変えて、あなたに合わせてまで、付き合うのは無理です」








このボールペン、胸に刺すフック(って言うの?)の部分がないから、仕事中に使うとき、ちょっと不便だよ・・・。

・・・可愛いけど。


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