2004年03月03日(水) |
気が早いわけじゃない |
夜、電話がいつも通り来て。
「今からネットに繋いで!」
とだけ言って切れた。
お風呂上がりで、髪の毛も濡れたままで、ネットに繋いだ。
メッセンジャーを立ちあげたら。
「これ見て!」
って、すぐにURLとメッセージが飛んできた。
なんだろう?と思って見たら、あいつの家の近くの不動産屋のHP。
「こう言うマンションに住む?メゾネットタイプがいい?」
HPを読んでいる最中にも、メッセが飛んでくる。
やっぱり、東京より全然安いんだなぁ。とか、的外れな答えばかりしてた。
実感が湧かないまま、毎日が過ぎて行く。
自分の親にさえ、話していない。
この話を一番にしたのは、職場のMさん。
そして、妹。
二人の意見は、両極端だった。
妹は、予想してたけど。
「よかったねー。ホント、やっと前進だよ!安心して出産出来るわ」
なんて、手放しで喜んで。
でも、Mさんは、そうではなかった。
私と離れる事を、寂しいと言ってくれたけど。
それよりも、私が子供たちともっと遠くなる事を選んだって事に。
少しだけ、がっかりしたと言った。
いつかは、行くのかな、って思っていたけど。
こんなに早くなんて思わなかったって。
「私だって、考えてないわけじゃないし。私から(子どもに)会いに行ったりするし、そういう事はHだって、もちろん了承してくれているんだよ」
そんな風に、行く事を前向きに考えているような意見を出しつつも。
心の中では、ずっとずっと、引っかかったままだ。
実は、ずっとずっと、後ろ向きだったりする。
だったら何で、同棲しようって話の時に、私は断らなかったのか。
分からないまんまだ。
あの時は、もしかしたら前向きだったのかもしれない。
でも、今は現実として考えなきゃいけないと思えば思うほど。
不安になって行く。
だから、親にも言えず、職場にも言えず。
不安だと言う事を、あいつに話せる事が出来たらいいのに。
電話やメールじゃニュアンスが伝わらない。
会って、顔見て、ちゃんと話せたらいいのに。
でも、実際会ったら、きっとまた言えなくなるんだろう。
「それで、この辺だったら、買い物するにも便利だし・・・」
メッセは電話に変わり、電話しながらお互いに同じHPを見て話す。
「ここには、ベッドを置いたりしてさー」
あいつは、未来の私たちの部屋の間取りとか考える。
「気が早いよ」
「早くないよ、もう半年しかないんだよ」
そう、半年しかない。
半年もある、なんて、同棲の話が出た時は思っていたけど。
半年も、じゃないんだよね。
「8月位に、一度不動産屋を回ってみようよ」
「んー・・・8月って真夏だよねー。今日はものすごく寒いから、真夏の事なんて考えられない」
「あっという間だよ。りりかの実家にも行かなきゃいけないし、色々と忙しくてすぐだよ」
あいつが、気が早いわけじゃない。
私が、逃げようとしてるだけ。
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