旅館を朝出て。
あいつの実家へ向かった。
高速も少し混んでいて。
のんびり進んで行った。
途中のサービスエリアで、お土産買ったり、昼ご飯も食べたりして。
あいつの実家についたのは、夕方になるちょっと前。
まだ初詣に行ってない私たちは。
まずは、あいつの家の近くにある神社へ。
去年と同じような。
「お賽銭はいくらにする?」
とか言う会話をして。
「願い事は何にした?」
「言ったら叶わないもん。Hは?」
「言ったら叶わないんでしょ?(笑)」
なんて、去年と同じ会話をここでもまたして。
長い石段を上がって、おみくじを引きに行った。
私は末吉、彼は中吉。
「恋愛」の部分に。
私のには。
「浮気心を捨てよ。」
と書いてあって。
彼のには。
「相手を疑わない。信じる事が大事」
と書いてあって。
「りりか、浮気するの?それで、俺が疑うようになるの!?」
何て言われ。
「これって、逆じゃないの・・・?間違えて、私のとあなたのと、入れ替わっちゃったんじゃないの?だって、浮気心があるのは、あなたじゃないのー?」
「そんな事あるはずないもん」
去年、まぁまぁよかったのに、私は何でもおみくじは結んでくるものだと思っていて。
そしたら、メールを頂いて。
「悪くない時は、結んでこなくていいんですよ」
と教えてもらった。
今年は、私のも、あいつのも、悪い事は書かれていなかったし。
そのまま持ってきた。
なぜか、あいつの分も、私のポケットに入っていた。
帰ってきてから、気付いたんだけど。
あいつの実家で、ご家族にご挨拶をして。
みんなで夕飯を食べた。
緊張しながらも、何だか慣れて来た感じもする。
あいつのご家族は、みんな暖かい人たちばかりで。
それが逆に申し訳なくなる時があったりする。
私なんかが、ここにいていいのかなぁ、とか。
だらだらそんな風に考えてちゃ、だめだって言われるんだけど。
暖かい人たちばかりだから、余計に考えてしまう。
あいつのベッドに私が寝て。
ベッドの下に布団を敷いて、あいつが寝た。
寝る前に。
「本当に何の音もしなくて、静かだよね。怖いくらいだよ」
って、真っ暗の中で言ったら。
「いつかは、ここにりりかも住むんだよ。慣れてね」
って言われて。
その日が来るのは、いつなんだろうって思った。
来るのか、来ないのか。
まだまだ、先は見えない。
でも、おみくじには。
「待ち人:近いうち必ず来ます。」
と書かれていた。
近いうち、って。
いつなんだろう。
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